Instagramのインサイト画面でよく見かける「リーチしたアカウント」。なんとなく数字を見ているけれど、「閲覧数とは何が違うの?」「アクション数との関係は?」と、詳しい定義が曖昧なままになっていないでしょうか。
リーチの仕組みを正しく理解することは、SNS運用の改善や広告運用の判断にも大きな差を生みます。この記事では、リーチしたアカウントの意味や、閲覧数・アクション数との違い、さらにはストーリーやフォロワー以外への影響分析などを含めて徹底的に解説します。
リーチしたアカウントとは?意味とInstagram上の定義
まずは、Instagramが公式に定義している「リーチ」の意味について理解しておきましょう。
Instagramにおけるリーチの定義
リーチとは、「投稿またはストーリーを一度以上見たユニークユーザー数」のことです。言い換えると、「何人のアカウントに投稿が届いたか」を示す指標となります。ひとつのアカウントが同じ投稿を何度見ても、「1リーチ」としてカウントされます。
リーチしたアカウント数とはどういうことか?
この数値は、Instagramのインサイト画面で確認できます。表示される数は、「対象の投稿またはストーリーを見たアカウントの合計数」であり、同じ人が複数回見た場合でも重複せずに1とカウントされます。
閲覧数との違いを整理する
リーチと混同しやすいのが「閲覧数(インプレッション)」です。似たような指標に見えますが、計算方法と意味が大きく異なります。
リーチと閲覧数(インプレッション)の違い
閲覧数は「その投稿が表示された回数」を示します。つまり、同じユーザーが3回その投稿を見た場合は「インプレッション:3」とカウントされる一方で、「リーチ:1」となります。
インスタにおけるリーチと閲覧数の違いが分析に与える影響
リーチが伸びている場合、それは新たなユーザーに届いている可能性が高いということです。一方で閲覧数が増えているだけなら、既存ユーザーが繰り返し見ているという意味かもしれません。目的に応じて、どちらを重視すべきかが変わります。
ストーリーにおけるリーチ指標の見方と注意点
リールやフィード投稿とは異なり、Instagramストーリーは閲覧のスピードと頻度が高いため、リーチの意味合いも少し異なってきます。
ストーリーにおけるリーチとは?
ストーリーのリーチは「そのストーリーを表示したアカウントの数」です。例えば10秒の動画を最後まで見ていなくても、画面に一瞬でも表示された時点でリーチとしてカウントされます。
ストーリーの閲覧数やアクション数との関係性
ストーリーでは、リンクのタップ、DMの送信、プロフィール閲覧なども追跡可能です。リーチが高くてもアクションが少なければ「興味を持たれていない可能性」があります。数字をセットで見ることが重要です。
フォロワー以外のリーチ数はどう見るべきか?
インサイトでは、「リーチしたアカウント」のうち、「フォロワー」と「フォロワー以外」が分類されています。これは運用戦略において非常に重要な情報です。
フォロワー以外へのリーチが多い場合の意味
この割合が高い場合、投稿が「発見タブ」や「ハッシュタグ検索」、「リールおすすめ」などを通じて新規ユーザーに届いていると考えられます。つまり、アカウントの成長につながるポテンシャルが高まっている証拠です。
逆にフォロワー中心のリーチが多いときの解釈
既存フォロワーへの訴求力は強いが、新規リーチが少ない状態を表します。アクション率や保存数を上げることで「おすすめ表示」のアルゴリズムに乗るよう改善する必要があります。
アクションを実行したアカウントとの違い
リーチは「見た人の数」、アクションは「動いた人の数」です。この違いを正しく理解することで、インサイトの読み取りが一段と深まります。
アクション数とは具体的に何を指すのか?
「アクションを実行したアカウント」は、以下のような動作を行ったユーザーを指します。
- いいね
- コメント
- シェア
- 保存
- プロフィール閲覧
- ウェブサイトクリック
リーチの中でどれだけの割合がアクションに至ったかを見ることで、投稿の「引きの強さ」が明らかになります。
リーチ数をどうビジネスに活かすべきか?
SNS運用をビジネスに直結させるためには、「数値の理解」と「改善サイクルの設計」が必要です。
リーチ増加がビジネス成果に与える影響
リーチは「認知拡大」の指標として活用できます。リーチ数が増えれば、ブランドや商品の接点が増え、結果的に問い合わせや購買の導線につながる可能性が高まります。
リーチを伸ばすための具体的戦略
- 投稿時間帯を分析し、最もアクティブなタイミングに配信する
- リールやカルーセルなど複数フォーマットを活用する
- ハッシュタグの最適化を継続する
- ストーリーでアンケートや質問を使い、エンゲージメントを高める
こうした取り組みが積み重なることで、リーチが安定して伸びていく流れが生まれます。
よくある誤解と「知恵袋」での質問傾向
ユーザーからは「リーチって閲覧数じゃないの?」「なぜフォロワーよりもリーチ数が多いの?」というような疑問がよく見られます。
知恵袋でよくある誤解
- 「閲覧=リーチ」ではない
- 「リーチ数が少ない=投稿がダメ」ではない
- 「リーチが増えれば売上も増える」とは限らない
これらの誤解に惑わされないためには、指標の定義と目的を明確にすることが重要です。
リーチ分析ができる人になるための3つのコツ
指標を単体で見ない
リーチはあくまで入口の数字です。アクション率や保存数とのセットで見ることで初めて意味が生まれます。
投稿目的に応じた指標を選ぶ
ブランド認知が目的ならリーチ重視、売上が目的ならアクション数を重視するなど、KPIに応じて見るべき数字を変えるべきです。
数字の変化に一喜一憂しすぎない
アルゴリズムの影響やタイミングによってリーチはブレます。重要なのは「伸びた理由」と「下がった理由」を毎回分析し、再現性を高めていくことです。
まとめ:リーチを正しく理解し、戦略に活かそう
「リーチしたアカウント数」は、Instagramを含むSNS運用において最初に注目すべき重要指標です。閲覧数やアクション数との違いを理解したうえで、「誰に届いたのか」「どうアクションされたのか」を深掘りすることで、コンテンツの質・効果を高める運用が可能になります。
SNSは“数字”が見えるからこそ、改善のPDCAが回せるメディアです。リーチの意味をきちんと理解し、フォロワー以外への広がりを意識した投稿設計を取り入れていきましょう。