Screaming Frog SEO Spiderの使い方まとめ!日本語にすることはできる?

Webサイトの運営やSEO担当者として働いていると、サイト内の全ページを一つずつチェックする作業に限界を感じる瞬間がありますよね。特に数百、数千ページを超える大規模なサイトを管理している場合、リンク切れやタイトルの重複を手作業で見つけるのは現実的ではありません。そんな時にプロの現場で必ずと言っていいほど名前が挙がるのが、Screaming Frog SEO Spider(スクリーミング・フロッグ・エスイーオー・スパイダーという意味です)というツールです。この記事では、このツールの基本的な使い方から、多くの日本人が気になる日本語化の可否、さらには実務で役立つ高度な分析手法までを徹底的に解説します。この記事を読めば、サイトの健康状態を一瞬で可視化し、検索順位を上げるための具体的な改善案を論理的に導き出せるようになりますよ。


目次

Screaming Frog SEO Spiderの基本的な特徴と導入するメリット

SEOの内部施策を効率化したいと考えたとき、まず検討すべきなのがクローリングツール(Webサイトを巡回して情報を収集するプログラムのことです)の導入です。Screaming Frog SEO Spiderは、イギリスの企業が開発したデスクトップ型のソフトウェアで、Googleのクローラーと同じような動きをしてサイト内を隅々までスキャンしてくれます。自分たちのサイトが検索エンジンからどのように見えているのかを、鏡を見るように正確に把握できるのが最大の特徴ですね。

このツールを導入するメリットは多岐にわたりますが、一言で言えば「見えない課題を数字とリストで可視化できること」に尽きます。例えば、ユーザーが気づかないような古いページへのリダイレクト設定や、メタタグの記述漏れなどは、サイトが大きくなるほど放置されがちです。これらを放置することは、検索エンジンからの評価をこぼしているようなものですよね。スクリーミングフロッグを使えば、こうした小さな漏れを数分で洗い出すことができるのですよ。

ビジネスの現場では、感覚ではなくデータに基づいた改善が求められます。上司やクライアントに対して「なんとなくここを直すべきです」と言うよりも、「スキャンした結果、404エラーが50ページ見つかったので修正が必要です」と報告する方が、圧倒的に説得力が増しますよね。まずは、このツールが具体的にどのような機能を持っていて、私たちの仕事をどう助けてくれるのかを深掘りしていきましょう。

サイト内部診断を劇的に効率化するクローリング機能

スクリーミングフロッグの核となる機能は、指定したURLを起点にサイト内のリンクを次々と辿っていくクローリング機能です。ブラウザで見ているだけでは分からないHTML(Webページを作るための言語です)の裏側の情報を、表計算ソフトのような形式ですべて抜き出してくれます。これにより、サイト全体の構造を一目で把握することが可能になります。

クローリング機能によって得られる主なデータは以下の通りです。

・各ページのステータスコード(ページが正常に表示されているかを示す3桁の数字です) ・ページタイトルやメタディスクリプションの文字数と内容 ・H1やH2といった見出しタグの構成 ・画像ファイルに設定されている代替テキスト(Alt属性)の有無

これらの情報を手作業で集める場合、1ページあたり数分かかるとすると、1,000ページあるサイトでは膨大な時間が失われてしまいます。しかし、このツールを使えば、コーヒーを一杯飲んでいる間にすべてのデータが目の前に並びます。空いた時間を使って、データの収集ではなく「どう改善するか」というクリエイティブな戦略立案に集中できるようになるのですよ。

また、サイト内のリンク構造を可視化することで、どのページが孤立しているか、あるいは重要度の高いページに適切にリンクが集まっているかといった「内部リンクの最適化」もスムーズに行えます。サイトの健全性を保つためには、定期的に健康診断を行う必要がありますが、スクリーミングフロッグはそのための最も強力な診断装置になってくれますね。

無料版と有料版の違いを比較して最適なプランを選ぶコツ

Screaming Frog SEO Spiderには、無料で使える「Free版」と、年間ライセンス料を支払う「Paid版」の2種類が用意されています。これからSEOの勉強を始める方や、個人のブログを運営している方であれば、まずは無料版からスタートしても十分にその凄さを体感できますよ。ただし、仕事としてプロフェッショナルな分析を行うのであれば、有料版の導入を検討するのが賢明かもしれません。

無料版と有料版の主な違いを整理しました。

・クローリングできる上限数:無料版は500URLまで、有料版は無制限です。 ・連携機能の有無:有料版はGoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスと直接連携し、データを統合できます。 ・設定の保存:有料版はクローリングの設定を保存して再利用できるため、定期的な診断が楽になります。 ・JavaScriptレンダリング:有料版は、JavaScriptで生成される動的なコンテンツも正確に解析可能です。

500ページを超えるサイトを管理している場合、無料版ではサイトの一部しか診断できないため、全体像を把握することができません。また、サーチコンソールとの連携機能は、表示回数やクリック数といった「実際の成果」と内部の構造課題を紐づけて分析する際に非常に役立ちます。

ビジネスにおいてツールのコストを考える際、そのツールがどれだけの「時間」を生み出してくれるかを計算してみてください。年間数万円のライセンス料で、数百時間の作業が削減され、さらにサイトの収益が改善されるのであれば、これほど投資対効果の高い買い物はないと言えるでしょう。まずは無料版で500ページをスキャンしてみて、その利便性に納得してから有料版へアップグレードするのが、失敗しない導入のコツですよ。


Screaming Frog SEO Spiderを日本語にする方法と英語メニューの読み解き方

多くの日本のユーザーが最初に突き当たる壁が、ツールのインターフェースがすべて英語であるという点です。日本語化できるボタンがあれば嬉しいのですが、残念ながら現在の仕様ではメニュー画面を直接日本語に切り替えることはできません。しかし、だからといって利用を諦めるのは非常にもったいないですよ。SEOの用語は世界共通のものが多く、基本さえ押さえれば英語が苦手な方でも問題なく使いこなせます。

むしろ、英語のメニューに慣れておくことは、海外の最新SEO情報をキャッチアップする際にも役立ちます。Googleの公式ドキュメントなども英語がベースになっていることが多いので、ツールを通じて専門用語の英語表現に親しんでおくのは、長期的に見てプラスになるはずです。ここでは、日本語で使いたいというニーズにどう応えるか、そして英語メニューをどのように読み解けばいいのかを具体的に解説します。

仕事でこのツールを使う際、他のスタッフにも使い方を共有する場面が出てくるかもしれません。そんな時に「この項目は日本語で言うとこれだよ」とさらっと伝えられたら格好いいですよね。言葉の壁を乗り越えて、ツールの真価を引き出すためのヒントを一緒に見ていきましょう。

2025年時点での日本語化の可否とUIの言語設定を確認する手順

2025年現在においても、Screaming Frog SEO Spiderには公式の日本語パッチ(日本語表示に変えるためのプログラムのことです)は用意されていません。設定画面(Configメニュー)を隅々まで探しても、言語選択の項目には英語やイタリア語、スペイン語などはあっても、日本語が含まれていないのが現状です。これは、開発元がイギリスの企業であり、主に欧米市場を中心にアップデートが行われているためと考えられます。

現状で日本語としてデータを扱うための確認ポイントは以下の通りです。

・UI自体は英語だが、サイトから抽出した日本語のテキスト(タイトルなど)は正常に表示される。 ・出力するCSVファイルなどは、Excelで開いた際に日本語が文字化けしないよう文字コード設定が必要な場合がある。 ・最新バージョンでは文字エンコーディングの自動判別が優秀になっているため、基本設定のままで日本語サイトの解析は可能。

つまり、操作画面こそ英語ですが、日本のサイトを分析する上での支障はほとんどありません。もし画面上の文字をどうしても日本語で読みたい場合は、スマートフォンのカメラを使った翻訳アプリや、画面上の文字を認識して翻訳するブラウザ拡張機能などを一時的に併用するのも一つの手ですね。

しかし、実務で毎日使うようになれば、メニューの位置を体が覚えてしまうものです。日本語化を待つよりも、今ある環境でどう効率よく動かすかを考えたほうが、ビジネスのスピード感には合っています。英語のままであっても、結果として得られるデータは日本語なのですから、そこまで心配しすぎる必要はありませんよ。

SEO用語さえ分かれば迷わない主要メニューの日本語訳リスト

ツールの上部に並んでいるタブや、右側のサマリーパネルには、SEO担当者ならお馴染みの用語が並んでいます。これらが日本語で何を指しているのかを一度リスト化して頭に入れておけば、英語のUIも全く怖くありません。ここでは、特によく使う主要な項目を日本語に翻訳して解説します。

まずは、上部のメインタブから見ていきましょう。

・Internal:内部リンク(自サイト内の全URLリストです) ・External:外部リンク(自分のサイトから外へ向かっているリンクです) ・Response Codes:レスポンスコード(200 OKや404 Not Foundなどの状態です) ・Page Titles:ページタイトル(HTMLのtitleタグの内容です) ・Meta Description:メタディスクリプション(検索結果に表示される説明文です) ・H1 / H2:見出しタグ(ページの構造を示す見出しです)

次に、右側のサイドバーで頻出するステータス用語です。

・All:すべて ・Missing:欠落(タグが設定されていない状態です) ・Duplicate:重複(同じ内容が複数のページで使われている状態です) ・Over 60 Characters:60文字超過(タイトルの文字数が多すぎる場合です)

これらはSEOの基本用語ばかりですよね。スクリーミングフロッグのUIは非常に論理的に構成されているので、「Page Titles」タブを選んで、その下のフィルタで「Missing」を選べば、タイトルが設定されていないページが瞬時にリストアップされるという具合です。このリズムさえ掴んでしまえば、日本語化されていないことへの不満は消え、むしろ英語のままでサクサク操作できる快感が勝るようになるかもしれませんよ。


Screaming Frog SEO Spiderの基本的な使い方とサイト診断の手順

ツールをインストールしたら、いよいよ実際にサイトの診断を始めてみましょう。操作は非常にシンプルですが、正しくデータを収集するためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。ただURLを入れてボタンを押すだけでもデータは出ますが、ビジネスの現場では「どの範囲を」「どのような条件で」調査するかをコントロールすることが、正確な分析への第一歩となりますよ。

特に初めて使う方は、画面上に一気に数千行のデータが流れ込んでくるのを見て驚くかもしれません。しかし、一つ一つのデータには意味があり、それらを整理して読み解くことで、サイトのどこにメスを入れるべきかが見えてきます。ここでは、クローリングを開始する前の初期設定から、実際にデータが収集されるまでの具体的なプロセスを、同僚に教えるように丁寧にガイドしていきますね。

準備ができたら、まずは自分のサイト、あるいは競合他社のサイトのURLをコピーする準備をしましょう。実際に自分の目でデータが積み上がっていく様子を見るのは、SEO担当者にとって非常にエキサイティングな体験になるはずです。

URLを入力してクローリングを開始しデータを収集する方法

基本的な使い方は、画面上部にある「Enter URL to spider」という入力欄に、診断したいサイトのトップページのURLを入力し、「Start」ボタンをクリックするだけです。これで、スクリーミングフロッグがサイト内のリンクを次々と辿り始めます。画面中央のリストにリアルタイムでURLが追加されていく様子は、まるで職人技を見ているような安心感がありますよ。

クローリングをスムーズに行うためのポイントは以下の通りです。

・サイトが巨大な場合は、右下の「Speed」メーターを見ながら、サーバーに負荷をかけすぎないよう調整する。 ・途中で停止したい場合は「Pause」を押し、設定を変えてから「Resume(再開)」することができる。 ・特定のディレクトリ(特定のフォルダ配下のページのことです)だけを調査したい場合は、URLの末尾を調整して入力する。

クローリングが完了すると、画面下部のプログレスバーが100パーセントになります。この状態になったら、各タブを切り替えて詳細なデータを確認していきましょう。もし、URLを入力しても何も表示されない場合は、サイト側でクローラーのアクセスをブロックしている可能性があるため、設定(User-Agentの設定など)を見直す必要があります。

慣れてきたら、特定のサブドメインだけを除外したり、逆に画像ファイルだけを集中的に集めたりといった「絞り込みクローリング」にも挑戦してみてください。目的を絞ることで、分析にかかる時間とPCのメモリ負荷を軽減でき、よりスピーディーな業務遂行が可能になりますよ。

収集したデータをエクスポートしてスプレッドシートで管理するコツ

スクリーミングフロッグの画面上でもデータは確認できますが、チームで共有したり、改善の進捗を管理したりするためには、外部の表計算ソフトに書き出すのが一般的です。画面左上にある「Export」ボタンを使えば、現在表示されているリストをそのままCSVやExcel形式で保存できます。このエクスポート機能を使いこなすことが、SEOレポート作成の効率を劇的に高める鍵になります。

データを整理する際のおすすめの手順は以下の通りです。

・タブごとに必要なデータをエクスポートするのではなく、画面上部のメニューから「Bulk Export(一括書き出し)」を選び、特定の項目を一気に保存する。 ・Googleスプレッドシートにインポートして、フィルター機能を使って「優先的に直すべきページ」に色を付ける。 ・定期的にエクスポートしたデータを比較して、前回よりもエラーが減っているかを定点観測する。

エクスポートしたファイルには、URLだけでなくレスポンスコードや文字数など、分析に必要なあらゆる情報が詰まっています。これをクライアントへの提出用資料に加工すれば、プロ仕様の診断レポートが簡単に完成します。生データのままだと情報が多すぎて読み手も混乱してしまうので、重要な項目(例えば、タイトル漏れのリストなど)だけを抽出して提示するのが、デキるビジネスパーソンの気遣いですね。

また、日本語のサイトをエクスポートする際は、文字コードを「UTF-8(BOM付き)」に設定しておくと、Excelで開いた際の文字化けを防げますよ。こうした細かなテクニックの積み重ねが、日々のストレスを減らし、スムーズなコミュニケーションを支えてくれるのですね。


サイト内部SEOの課題を特定するためにチェックすべき重要項目

データが集まったら、次はいよいよ「どこに問題があるか」を特定するフェーズです。スクリーミングフロッグには数百の項目がありますが、ビジネスにおけるSEO改善でまず注目すべきポイントは限られています。すべてを一気に直そうとせず、検索エンジンからの評価に直結しやすい部分から手をつけていくのが、効率的なサイト運営のコツですよ。

特に「リンク切れ」や「タイトルの重複」などは、放置しておくとサイト全体の専門性や信頼性を損なう原因になります。Googleの評価を下げないためにも、またユーザーに不便を感じさせないためにも、優先順位をつけて対処していきましょう。ここでは、診断結果の中から特に最初に見るべき重要項目を2つに絞って解説します。

現場で「何から始めればいいですか?」と聞かれたら、まずはこの2つのポイントを提示してあげてください。これらを解決するだけで、サイトの品質は目に見えて向上し、検索結果でのパフォーマンスにも好影響が出るはずですよ。

ステータスコードからリンク切れやリダイレクトを修正する方法

まずチェックすべきは「Response Codes」タブです。ここでは、サイト内の各ページがサーバーからどのような応答を返しているかを確認できます。理想はすべてのページが「200(成功)」であることですが、運用期間が長いサイトほど、エラーコードが紛れ込んでいるものです。

以下のコードに注目して、リストを精査してみましょう。

・404 Not Found:ページが見つからない状態です。ユーザーに不快感を与えるだけでなく、リンクの価値を無駄にしています。 ・301 / 302 Redirect:ページが別のURLに転送されている状態です。不要なリダイレクトの連鎖がないか確認しましょう。 ・500 Internal Server Error:サーバー側のトラブルです。早急にエンジニアと連携して原因を究明する必要があります。

特に、サイト内のリンク(内部リンク)が404エラーになっている場所は、スクリーミングフロッグの画面下部にある「Inlinks」タブで特定できます。「どこからそのリンクが貼られているか」まで一瞬で分かるので、修正作業が非常にスムーズに進みますよね。

また、不適切な301リダイレクトが大量にあると、クローラーがページを読み込む際の負荷(クローラビリティ)が悪化します。本来あるべきURLに直接リンクを貼るように修正するだけでも、SEO的にはプラスの効果が期待できます。ステータスコードの整理は、サイトの「大掃除」のようなものです。定期的に実施して、常にクリーンな状態を保ちましょう。

ページタイトルやメタディスクリプションの重複や漏れを解決する手順

次に重要なのが、コンテンツの「顔」とも言えるページタイトルとメタディスクリプションの最適化です。検索結果に表示されるこれらのテキストは、クリック率(CTR)に大きく影響します。スクリーミングフロッグの「Page Titles」タブや「Meta Description」タブを使うと、全ページの記述状況を一括で診断できます。

具体的には、以下のような問題を抽出して改善案を練ります。

・Missing:設定が漏れているページ。もっとも優先的に修正すべき項目です。 ・Duplicate:他のページと同じ内容が使われている場合。Googleが「どちらが正しいページか」を迷う原因になります。 ・Too Long / Too Short:文字数が適切でない場合。検索結果で途切れてしまったり、情報不足だったりする可能性があります。

タイトルが重複していると、カニバリゼーション(自分のサイト内のページ同士が同じキーワードで競合してしまう現象のことです)を引き起こし、本来上がるはずの順位が分散してしまうことがあります。各ページに固有の、魅力的でユニークなタイトルをつけることはSEOの基本中の基本です。

ディスクリプションについても、すべてのページで同じ文言を使い回すのではなく、そのページの内容を簡潔に要約したテキストを設定しましょう。スクリーミングフロッグでこれらをリスト化し、一気に書き換える作業指示書を作成すれば、コンテンツチームの動きもぐっと速くなります。地味な作業に思えるかもしれませんが、こうした細かな改善の積み重ねが、最終的には大きな順位上昇へと繋がっていくのですよ。


Screaming Frog SEO Spiderの応用的な活用で分析精度を高める方法

基本的な診断に慣れてきたら、次は有料版の機能を活用した「一歩先を行く分析」に挑戦してみましょう。スクリーミングフロッグは単体でも優秀ですが、外部ツールと連携させたり、独自の抽出条件を設定したりすることで、その能力はさらに何倍にも膨らみます。ビジネスにおいては、競合他社が気づかないような細かなデータまで掘り下げることが、戦略的な優位性に繋がりますよね。

特に、Googleが公式に提供しているデータとスクリーミングフロッグの内部データを統合できる機能は、有料版を導入する最大の価値と言っても過言ではありません。また、特定のHTML要素(商品価格や公開日など)を抜き出すカスタム抽出機能を使えば、もはやSEOツールを超えた「強力なデータ収集ツール」として活用できるようになります。

ここでは、実務のレベルを一段階引き上げるための応用テクニックを2つご紹介します。これができるようになると、社内でも「SEOのスペシャリスト」として頼られる存在になること間違いなしですよ。

Googleアナリティクスやサーチコンソールと連携させてデータを統合する手順

有料版の大きなメリットは、API(ソフトウェア同士を連携させるための窓口のようなものです)を通じて、Googleアナリティクス4(GA4)やGoogleサーチコンソールのデータをスクリーミングフロッグの画面内に取り込めることです。これにより、「クロールエラーがあるページのうち、もっとも検索流入が多いのはどれか?」といった複合的な分析が可能になります。

連携によって実現できる分析例は以下の通りです。

・サーチコンソールの表示回数がゼロの「死んでいるページ」を特定し、削除や改善を検討する。 ・GA4のデータと照らし合わせ、コンバージョンに貢献しているのに読み込み速度が遅いページを見つける。 ・実際のアクセスが発生しているURLと、クローラーが巡回できているURLのズレを解消する。

設定は「Configuration」→「API Access」から、Googleアカウントで認証を行うだけなので意外と簡単です。一度連携させておけば、クローリングを行うたびに最新のアクセスデータが自動で紐付きます。

数字が羅列された表の中に、実際のユーザーの動きが加わると、データの見え方がガラリと変わります。「アクセスの多いページから優先的にエラーを直す」という合理的で効率的な判断ができるようになるため、リソースが限られたビジネスの現場では非常に重宝される手法なのですよ。

カスタム抽出機能を使って特定のタグやテキストを効率的に収集するコツ

「サイト内にある全商品の価格を一覧にしたい」「全記事の投稿日を確認したい」といった、標準のSEO診断項目にはない特定の情報を抜き出したい時に役立つのが「Custom Extraction(カスタム抽出)」機能です。これは、XPathやCSSセレクタ(HTML内の特定の場所を指定するための記号のようなものです)を使って、好きな場所のテキストを吸い上げることができる機能です。

この機能を活用したビジネスでの応用事例を見てみましょう。

・ECサイトで、在庫切れ(Out of stock)の表示が出ているページだけを抽出する。 ・ブログメディアで、特定のライターが執筆した記事のURLリストを作成する。 ・構造化データ(検索エンジンに情報を伝えるための専用コードです)の内容が正しく記述されているか一括チェックする。

これまでは1ページずつ目視で確認していた作業が、条件を設定してクローリングするだけで完了します。最初はXPathなどの記述に戸惑うかもしれませんが、一度覚えてしまえばこれほど便利な機能はありません。

カスタム抽出を使いこなせば、SEO以外のマーケティング施策にも大きく貢献できます。例えば、競合サイトの更新状況をチェックしたり、自社サイトのコンテンツの鮮度を管理したりと、活用の幅は無限大です。ツールの枠を超えて、「自分だけの分析ツール」に育て上げていく楽しさをぜひ味わってくださいね。


まとめ:Screaming Frog SEO Spiderを使いこなしてサイト評価を向上させる

ここまで、Screaming Frog SEO Spiderの基本的な特徴から、英語メニューの読み解き方、そして実務に即した具体的な活用法まで詳しく解説してきました。最初は英語だらけの画面に圧倒されるかもしれませんが、一つ一つの項目がSEOの重要な要素に対応していることを理解すれば、これほど頼もしい相棒は他にいません。

サイトの規模が大きくなるほど、人間がすべてのページに目を配ることは不可能になります。だからこそ、スクリーミングフロッグのようなツールを使いこなし、システムに任せられる部分は任せ、人間は「どうすればユーザーにもっと価値を届けられるか」という戦略的な思考に時間を使うべきです。ツールの導入は、単なる効率化ではなく、あなたのキャリアを一段上のステージへ引き上げるための投資と言えるでしょう。

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