仕事でWord(ワード)を使っていると、「このページをもう1枚同じように増やしたい」「図や表をそのままコピーしたい」と思うこと、ありますよね。
でも実際にやってみると、レイアウトがずれたり、図や表が動いたりして苦労する方が多いです。この記事では、Wordでページを丸ごとコピー・複製・追加する方法をわかりやすく解説します。Windowsだけでなく、Macユーザーにも対応。レイアウト崩れを防ぎながら効率よく資料を作成するコツも紹介しますよ。
Wordでページを丸ごとコピー・複製する基本の方法
Wordでは、Excelのように「シートを複製」というボタンがありません。そのため、ページごとコピーしたいときは、文章や図を範囲指定して貼り付ける手順を使う必要があります。
まずは、もっとも基本的な「ページをそのままコピーする」方法から見ていきましょう。
ページを丸ごとコピーする手順(Windows編)
Wordでページを複製する最もシンプルな方法は、対象ページ全体を選択してコピー&ペーストすることです。
- コピーしたいページにカーソルを置く
- マウスでドラッグしてページ全体を選択する
(もしくは「Ctrl + A」で全選択して不要部分を削除) - 「Ctrl + C」でコピー
- 複製したい場所にカーソルを移動
- 「Ctrl + V」で貼り付け
この操作で、ページ内のテキスト・表・画像を含む内容を丸ごとコピーできます。
ただし、注意したいのはページそのものがコピーされるわけではないという点です。Wordは「ページ単位」ではなく「段落・コンテンツ単位」でデータを扱っています。そのため、本文や図表を選択してコピーするイメージを持つと理解しやすいでしょう。
同じページを増やすときのコツ
ページ全体をコピーして増やしたい場合は、以下のような工夫をすると効率的です。
- 改ページを挿入してから貼り付ける
「Ctrl + Enter」で改ページを挿入してから貼り付けると、新しいページとして扱われます。 - 不要なヘッダー・フッターを消す
コピーしたページに不要なページ番号や日付がついている場合は、ヘッダー・フッターを編集して調整します。 - 表や図がずれる場合は「固定配置」に変更
図を右クリック→「レイアウトオプション」→「文字列の折り返し」を「前面」にすると、レイアウト崩れを防ぎやすくなります。
Wordで同じページを増やすときは、文書全体の「余白設定」や「段組み設定」にも注意しましょう。レイアウトを統一するだけで、複製後の見た目がグッと整いますよ。
図や表がずれずにコピーできないときの原因と対処法
ページをコピーしたときに「図がずれた」「表の幅が変わった」という経験をした方は多いと思います。これはWord特有のレイアウト仕様によるものです。ここでは、なぜずれるのか、そしてどうすれば防げるのかを解説します。
コピーした図や表がずれる主な原因
Wordでは、図や表の配置が**「段落」や「ページ余白」などの相対位置**で管理されています。そのため、コピー先のページ構成が少しでも違うと、配置がずれてしまうことがあるのです。
代表的な原因は次の通りです。
- 図や表が「段落に合わせて移動」設定になっている
- コピー先ページの余白や段組み設定が異なる
- 画像が「テキストの折り返し:四角」になっており、文字量の違いで位置が動く
- 表がページ幅に合わせて自動調整される設定になっている
これらの設定を理解しておくことで、コピー後の修正作業を大幅に減らせます。
図や表をずれずにコピーする設定方法
ずれを防ぐには、コピー前に以下のような設定を見直しておくのがおすすめです。
- 図を右クリック → 「レイアウトオプション」 → 「ページ上の絶対位置を指定」
- 表を選択 → 「表ツール レイアウト」 → 「表のプロパティ」 → 「位置固定」
- 「ページレイアウト」タブで余白を統一(上下左右同じ数値に)
- 「段組み」を使わず、表や画像の幅をページ幅で統一
これにより、コピー先でも同じ位置に配置されやすくなります。
特にビジネス文書や報告書のように「レイアウトの統一感」が求められる資料では、これらの設定が仕上がりを左右します。
図や表を含むページをきれいに複製するコツ
もし複数のページに同じレイアウトを繰り返したい場合、テンプレートとして1ページを完成させてから複製する方法が効果的です。
- 最初のページを完璧に整える(余白・段組み・画像配置など)
- そのページを選択してコピー
- 改ページを入れて貼り付け
- 内容だけを差し替える
このやり方なら、毎回レイアウトを直す手間がなくなり、資料作成がかなりスムーズになります。提案書やマニュアルのようにフォーマットを繰り返す資料では特におすすめですよ。
Wordでページをコピーして別ファイルに保存する方法
Wordのページを別ファイルに分けたい、つまり「このページだけ別のWordファイルとして保存したい」というケースもありますよね。たとえば、報告書の一部を上司に共有したり、提案書の1章だけクライアントに送るときなどです。
ここでは、ページをコピーして別ファイルを作成する手順を紹介します。
Wordページを別ファイルにコピーする手順(Windows編)
- 分割したいページをドラッグして選択
- 「Ctrl + C」でコピー
- 新しいWord文書を開く(Ctrl + N)
- 「Ctrl + V」で貼り付け
- 名前を付けて保存(例:「提案書_第1章.docx」)
この方法で、元のレイアウトや書式を保ったまま、別ファイルとして保存できます。
ただし、ヘッダーやフッター、ページ番号は新しいファイルでは引き継がれないことが多いので注意しましょう。
ページコピー後に図や表がずれる場合の対処法
別ファイルに貼り付けた際に図や表が動く場合は、レイアウト設定を確認します。特に「文字列の折り返し」が「行内」や「四角」になっていると、文章量の違いで配置が変わりやすいです。
以下のように設定すると安定します。
- 画像を右クリック → 「レイアウトオプション」 → 「前面」
- 表を選択 → 「表ツール レイアウト」 → 「固定列幅」
- 「表示」→「印刷レイアウト」を選んで見た目を確認
これらを実施すると、別ファイルにしても元と同じ見た目を維持しやすくなります。
Macでページを別ファイルにコピーする場合
Mac版Wordでも手順はほぼ同じです。ただし、ショートカットキーが異なるため、以下の操作を覚えておくと便利です。
- コピー:「Command + C」
- 貼り付け:「Command + V」
- 新規ファイル作成:「Command + N」
Mac版ではレイアウト崩れが起きやすい傾向があるため、ページ全体を選択する際は「表示」メニューの「印刷レイアウト」を使うと正確に範囲を指定できます。
また、貼り付け時に「編集」→「形式を選択してペースト」→「書式を保持」を選ぶと、図や表のずれを最小限にできます。
Wordでページ追加する方法と注意点
Wordでページを増やしたいとき、「空白のページを追加したい」「次の章を新しいページから始めたい」といった場面はよくあります。ここでは、Wordでページを追加する2つの方法と、それぞれの注意点を紹介します。
改ページを使って新しいページを追加する
最も一般的な方法は「改ページ」を挿入することです。改ページとは、現在のページを強制的に終了して、新しいページを作る機能のことです。
手順はとても簡単です。
- 新しいページを挿入したい位置にカーソルを置く
- 「Ctrl + Enter」を押す
- 改ページが入り、新しいページが作成される
これで余計な改行を入れずに、すぐ次のページを始めることができます。
Wordで同じページを増やす場合も、まず改ページを入れてから内容を貼り付けるのが鉄則です。
ページ区切りを使うときの注意点
改ページと似た「ページ区切り(セクション区切り)」という機能もあります。
こちらは、ページだけでなく段組みやヘッダー・フッターなどの設定をページ単位で分けたいときに使います。
たとえば、報告書の1章と2章でページ番号の形式を変えたい場合、セクション区切りを使うと便利です。
ただし、区切りを多用するとレイアウトが複雑になり、コピー時にずれやすくなるので注意が必要です。
ページコピーがうまくいかないときの対処法
Wordのページコピーが思うようにいかない原因は、一見単純でも、内部設定が影響していることが多いです。
ここでは「コピーできない」「貼り付けてもずれる」「改ページが消える」といったトラブル別に対処法を解説します。
コピーできない・貼り付けが反応しない場合
まず確認したいのは「保護ビュー」や「編集制限」がかかっていないかです。社内共有ファイルなどでは、他の人が編集制限を設定していることがあります。
以下をチェックしてみましょう。
- ファイル上部に「保護ビュー」と表示されていないか
- 「校閲」タブ → 「編集の制限」がオンになっていないか
- ファイル形式が「.doc」など古い拡張子になっていないか
もし制限が原因であれば、管理者に編集権限をもらうか、「別名で保存」してから再編集すると解消されます。
改ページやレイアウトが消えてしまう場合
コピー時に改ページが消える原因は、「非表示文字(段落記号)」を選択範囲に含めていないケースが多いです。
段落記号は見えないため見落としがちですが、これを含めてコピーすることで改ページも一緒に複製できます。
手順:
- 「ホーム」タブ → 「¶(段落記号の表示)」をクリック
- 改ページや段落記号を含めてドラッグ選択
- コピー&ペーストを実行
この方法を使うと、元ページとまったく同じ構成でコピーできることが多いです。
貼り付け後に図や表がずれる場合
ずれが発生する場合、貼り付けオプションを変更してみましょう。
貼り付け後に右下に出る「貼り付けオプション」アイコンをクリックし、
「書式を保持」「元の書式を保持」「テキストのみ保持」などから選択できます。
図や表を含むページを複製するときは「元の書式を保持」がおすすめです。
図や表がずれないレイアウト設定のコツ
Wordの複製で最も多いトラブルが「図や表がずれる」ことです。
ここでは、ずれを防ぐための設定と、実際に使える配置テクニックを紹介します。
図の配置を固定してずれを防ぐ
Wordでは、図を挿入すると自動的に「文字列の折り返し:行内」になります。
この設定だと、文字量の変化に応じて図が勝手に動くことがあります。
固定したい場合は、以下のように設定します。
- 図を右クリック → 「レイアウトオプション」を開く
- 「文字列の折り返し」を「前面」に変更
- 「ページ上の絶対位置を指定」にチェック
これで図はページ内に固定され、コピーしても位置がずれにくくなります。
表の幅を固定して崩れを防ぐ
表も自動調整が有効になっていると、ページ幅が変わるたびに形が崩れます。
対策としては「自動調整をオフ」にすることが有効です。
- 表を選択 → 「レイアウト」タブ → 「自動調整」→「固定列幅」
- 列幅を明示的に指定しておく
これで、コピーや別ファイル貼り付けの際も安定したレイアウトを維持できます。
ページ余白と段組みの統一も重要
意外と見落とされがちなのが「ページ余白」と「段組み設定」です。
コピー元と先で余白が異なると、図表の相対位置がずれて見えることがあります。
ページ設定で上下左右の余白を統一しておくと、全体の見た目もきれいに整います。
MacでWordページを複製・追加する手順
Mac版Wordでも、基本的な考え方は同じですが、ショートカットや表示方法が少し異なります。
ここではMacユーザー向けに、ページコピー・追加のやり方を紹介します。
ページをコピーする方法(Mac)
- コピーしたい範囲を選択
- 「Command + C」でコピー
- 改ページを挿入(Command + Enter)
- 「Command + V」で貼り付け
Mac版では、Windowsよりも図表の位置ずれが発生しやすい傾向があります。
これは、Mac版Wordがフォントレンダリングや段落間隔の扱いを若干異なる方式で処理しているためです。
そのため、レイアウト重視の文書を扱うときは、印刷レイアウト表示で調整するのがおすすめです。
ページを追加する際の注意点(Mac)
Macでは、「改ページ」のほかに「挿入」→「空白のページ」を使うこともできます。
ただし、これを多用するとセクション区切りが自動的に増え、ファイルサイズが重くなることがあります。
シンプルに1ページずつ増やすなら、改ページでの対応が最も安全です。
Wordで複数ページをまとめてコピーする方法
資料作成の現場では、1ページではなく2〜3ページ分をまとめてコピーしたいケースもあります。
たとえば、月次レポートや社内マニュアルなど、同じフォーマットを繰り返す文書です。
複数ページを一気にコピーする手順
- 「ナビゲーションウィンドウ」を開く(表示 → ナビゲーション)
- コピーしたい範囲の見出しをドラッグして選択
- 「Ctrl + C」(MacはCommand + C)でコピー
- 改ページを入れて「Ctrl + V」で貼り付け
ナビゲーションウィンドウを使うと、見出し単位で範囲選択できるため、ページの抜け漏れを防げます。
セクションごとコピーする場合のコツ
報告書などでは、章ごとにページ設定が違うことがあります。
その場合、単純にコピーしてもページ設定が反映されません。
「アウトライン表示」に切り替え、章全体をコピーすると設定も含めて複製できます。
ページ複製を業務効率化に活かす活用例
Wordのページ複製は、単なるコピー機能ではなく、業務効率化の鍵になる機能です。
たとえば以下のような活用が考えられます。
- 提案書や見積書のテンプレートをベースに複製し、案件ごとに再利用
- 社内マニュアルの章テンプレートを作成し、部署ごとに編集
- 同じ構成の議事録をページ単位で複製して週次報告を効率化
実際、Wordページの複製を活用している企業では、資料作成時間が平均で30〜40%短縮されることもあります。
「コピー+調整」という小さな時短の積み重ねが、業務全体の生産性を大きく左右するのです。
まとめ:Wordのページコピーを使いこなして作業時間を短縮する
Wordのページコピーや複製機能を上手に使いこなすと、資料作成の効率が劇的に上がります。
図や表がずれないようにレイアウトを固定し、改ページで新しいページを追加すれば、常に整った文書を維持できます。
特にビジネス現場では「同じフォーマットで、内容だけ変える」作業が多いため、テンプレート化と複製の組み合わせが非常に有効です。
Wordは単なる文書作成ツールではなく、業務効率化のための「仕組み化ツール」にもなります。
今日紹介した複製・追加・調整のコツを使って、あなたの資料作成時間を短縮してみてください。
慣れてしまえば、「もう1ページ増やしたい」がほんの数秒で完了するようになりますよ。