ZTEスマホやルーターの危険性は?企業での使用可否とセキュリティリスクまとめ

ZTE(中興通訊)は中国を代表する通信機器メーカーのひとつで、スマートフォンやルーターなど多くの製品がグローバルに流通しています。一方で、「セキュリティに不安がある」「政府機関では使用が制限されている」といった報道も多く、企業の情報システム部門を中心に、その使用可否を慎重に見極める必要が出てきました。
この記事では、ZTE製品に関する具体的なリスクや過去の制裁事例、企業が導入時に検討すべきポイント、代替手段までをまとめて解説します。


目次

ZTEとは?企業と製品ラインナップの概要

ZTEは1985年に中国・深圳で設立された通信機器メーカーで、スマートフォン、モバイルルーター、ネットワーク機器を世界中に供給しています。
政府系プロジェクトにも携わる国有系企業としての側面もあり、Huaweiと並んでアメリカやヨーロッパ諸国の安全保障政策の対象になってきた経緯があります。

主な製品には以下のようなものがあります。

  • Androidスマートフォン(ZTE Bladeなど)
  • モバイルWi-Fiルーター(UQ、Y!mobile対応機など)
  • 法人向けのVPN・5G通信基地局機器

個人の価格重視ユーザーには人気がありますが、企業利用となると慎重な検討が必要です。


なぜZTE製品は「危険性がある」と言われるのか

政府による制裁措置と背景

ZTEが最初に注目されたのは、2018年にアメリカ政府から経済制裁を受けたときでした。この制裁は、イランや北朝鮮への不正な通信機器輸出が発端とされ、結果としてZTEは一時的にアメリカ製の半導体・ソフトウェアの調達を禁止されました。

この件以降、ZTEは「国家が関与している可能性がある企業」と見なされるようになり、日本を含む各国の政府・公共機関での採用が慎重になる要因となっています。

情報漏洩リスクへの懸念

ZTE製品に対しては、「通信経路に不正な情報取得が組み込まれているのではないか」という疑念が繰り返し指摘されています。
このリスクは必ずしも証拠があるとは限りませんが、特に企業が扱う機密性の高いデータにおいては、**「疑われる時点で導入回避が妥当」**という判断が一般的です。


ZTEスマートフォンのセキュリティ懸念

標準アプリの構成や更新頻度

ZTEのスマホには独自の標準アプリがプリインストールされており、これがセキュリティ的に不透明であると指摘されることがあります。
加えて、セキュリティアップデートの頻度が大手メーカーと比べて不定期であるため、ゼロデイ脆弱性などへの対応が遅れる可能性があることも懸念材料です。

端末を使い続けるリスク

一度購入したZTE端末が、メーカーからのサポート対象外になるケースもあり、OSのバージョンアップが停止してしまうと、結果的にセキュリティホールが放置されたまま利用し続けることになります。
ビジネス端末としての利用には向かない設計思想とも言えます。


ZTEルーター・通信機器のリスク

ルーター設定画面に関する脆弱性報告

ZTE製のモバイルWi-Fiルーターについて、初期設定時に使用するWeb管理画面の脆弱性や、管理パスワードのハードコード化が過去に報告されたことがあります。
こうした仕様は、社外からの侵入や不正アクセスのリスクを増加させるため、企業ネットワークに接続する機器としては懸念が残ります。

監査・ログ取得が困難なケース

中には、システム監査やセキュリティログの取得が十分にできない製品も存在し、社内のセキュリティポリシーに抵触する恐れもあります。
こうした点を踏まえ、法人用途でのZTEルーター利用はリスク管理上避けられる傾向にあります。


法人でのZTE製品の使用は許容されるか?

結論から言えば、**業務用ネットワークや機密情報を扱う企業では「非推奨」**です。
特に以下のような業務においては、ZTE製品の導入は避けるべきです。

  • 顧客情報を扱うCRM・SFA関連の業務
  • 外部と通信するVPN・リモートワーク環境
  • 金融機関や医療関連など、高度な情報管理が求められる業種

ビジネスでZTE端末を選んでしまう理由と対策

安さと在庫確保のしやすさ

ZTE端末は他社製品に比べて安価で、かつ一部MVNOやキャリアで扱われているため、導入が簡単に見えます。しかし、初期導入コストが低くても、セキュリティ事故が起これば大きな損失を招くことを考慮する必要があります。

対応策:導入前のセキュリティチェック

  • 使用端末が国内で正規サポートされているか確認
  • 管理者権限のカスタマイズが可能か調査
  • セキュリティアップデートの頻度やサポート年数をチェック

これらを確認せずに価格だけで選んでしまうと、将来的に業務運用に支障をきたすリスクがあります。


企業としてZTE以外に選ぶべき選択肢

以下のような企業向け製品を選ぶことで、セキュリティと性能のバランスを確保しやすくなります。

  • スマホ:Google Pixel、Samsung Galaxy Enterprise Edition、富士通法人モデルなど
  • ルーター:NEC Aterm、バッファロー法人モデル、シスコ系のルーターなど

企業が利用する通信機器は、一度問題が起きると信頼が大きく損なわれる領域です。安心できるブランド・販売元を選ぶことが重要です。


まとめ|ZTE製品を企業で使うべきかどうか

ZTEスマホやルーターは、個人での使用においてはコストパフォーマンスが高く評価される場面もありますが、法人・業務用途では慎重に扱うべき製品です。

  • セキュリティアップデートが不透明
  • 情報漏洩リスクへの懸念が常にある
  • 国際的な政治・制裁リスクも含んでいる
  • 法人での運用では代替機器の選定が現実的

企業としては、導入コストだけに注目せず、長期的なリスクと信頼性を重視した機器選定を心がけることが、情報資産を守るうえで重要です。
ZTE製品の導入を検討している場合は、必ずセキュリティ担当・情シスと連携し、使用可否を慎重に判断することを推奨します

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