動画編集の現場で「モザイク処理」はもはや必須の作業です。顔のプライバシーを守ったり、社内資料の一部を隠したり、公開できない情報をぼかしたりと、モザイクは情報管理の最後の砦とも言えます。近年、無料ツールでありながら高機能な編集ができるCapCut(キャップカット)は、こうしたビジネスニーズにも応えるアプリとして注目されています。この記事では、PC・スマホ両対応で、CapCutによるモザイク加工の実践的な使い方と、顔や一部だけにモザイクを追従させるテクニックまで、業務効率を高めるための編集術を詳しく紹介します。
CapCutとは?ビジネス利用にも適した無料動画編集ツール
CapCutは、ByteDance社が開発した無料の動画編集アプリで、スマホ版とPC版の両方が提供されています。直感的なUIに加え、AIを活用した機能やエフェクトの豊富さが評価されており、個人クリエイターだけでなく、企業の動画広報・SNS広告運用にも広く使われています。
モザイク加工が必要な場面とは?
動画においてモザイクが必要になるケースは多岐にわたります。特にビジネスシーンでは以下のような状況が典型です。
- 顧客や社員の顔をプライバシー保護のため隠す
- 社内資料の一部(売上、数値、社名など)を非公開にする
- 撮影許可が得られていない背景の人物や看板を処理する
- 法的リスクのある情報の一部をぼかす
このようなニーズに応じて、CapCutでのモザイク処理が“無料かつ高精度”に行えることは、業務のスピードとクオリティを両立させる大きな武器となります。
モザイク処理の基本(PC版CapCut)
まずはPC版を使用して、動画内の一部にモザイクをかける基本操作を解説します。
一部の範囲だけにモザイクをかける手順
CapCutでは「エフェクト」の中にあるぼかしツールを使って、任意の範囲にモザイク処理ができます。
- モザイクをかけたい動画をタイムラインに読み込む
- 上部メニューから「エフェクト」→「ビデオエフェクト」を選択
- 「ぼかし」や「モザイク」を検索して適用
- モザイクがかかるエリアを調整し、サイズ・位置を設定
- 表示させたい長さにタイムラインで調整
この方法で、「キャップカット モザイク 一部 pc」に関するニーズには十分対応できます。
動かすモザイクの操作方法
静止したモザイクではなく、動く対象(人物の顔など)に追従させたい場合には「キーフレーム」機能を使って動きを追わせることができます。
- エフェクトの表示範囲を選択後、「キーフレーム」を追加
- 動画の進行に合わせてモザイク位置を1コマごとに微調整
- 顔の動きにあわせて、タイムライン上で複数キーフレームを設定
細かい手間はかかるものの、特定人物の顔に対してピンポイントにモザイクを動かす処理が可能です。
スマホ版CapCutでのモザイク処理
スマートフォンでもCapCutは高性能な編集が可能です。UIもわかりやすいため、移動中や現場作業の合間に動画編集を完結させたい担当者におすすめです。
顔や対象を追従させるモザイクの使い方
スマホ版CapCutでも基本的なモザイク処理は以下の手順で行えます。
- アプリを開いて編集したい動画を読み込み
- 下部メニューの「エフェクト」から「基本」カテゴリにあるモザイクを選択
- モザイクエリアの位置とサイズを指で調整
- 必要に応じてキーフレーム(+マーク)を利用して動きに合わせて調整
AIによる自動追従機能は現時点では限定的ですが、複雑な動きでなければキーフレームで十分対応可能です。
複数箇所に同時にモザイクをかけるテクニック
CapCutでは複数のモザイクエフェクトを同時に重ねて使用することも可能です。たとえば、社員数名の顔をそれぞれ隠したい、複数の資料部分を非表示にしたいといったケースでも対応できます。
手順のポイント
- 「エフェクト」を適用したレイヤーを複数重ねる
- 各モザイクのエリアとタイミングをそれぞれ編集する
- フォルダーやグループ化などはできないため、視覚的に整理しながら配置する
動画全体の尺や演出に影響を与えないよう、適度に間隔を空けたり、透明度の調整で目立ちすぎない処理を行うのが業務用動画でのコツです。
写真や静止画へのモザイク処理
動画だけでなく、写真(JPG・PNGなど)に対してもモザイクを適用することができます。たとえば会社紹介資料の中で、従業員の顔写真の一部を加工したい場合などです。
手順としては、写真を動画素材としてタイムラインに配置し、同様にエフェクト→ぼかしをかけるだけです。1コマの静止画として処理できるため、フレーム移動などの調整も不要で、より短時間で加工が可能です。
顔にだけモザイクをかけるためのプロ向けTips
CapCutは顔認識で自動的にぼかしを入れる機能はまだ発展途上ですが、手動でも十分に精度の高い処理が可能です。
顔モザイクを効率化する設定
- 顔のサイズに合わせてエフェクトのスケールを調整
- 被写体が動く場合は、数秒ごとにキーフレームで追従
- 「フェード」などの効果で自然に馴染ませる
あえて完全に隠すのではなく「目元だけ」など一部加工にすることで、より自然な動画編集に仕上がります。企業のインタビュー動画などでも効果的です。
よくあるエラーと対処法
モザイクが動かない、ずれる場合
- キーフレームを入れ忘れているケースが多い
- フレーム位置を誤って設定している可能性あり
- 編集前後で動画がクロップ(拡大)されていると座標がズレやすい
対策としては、編集の最初からフルHDサイズで固定し、なるべく余計なズームやパンを加えずに処理することが推奨されます。
業務効率を上げるためのCapCut活用術
単にモザイク処理を行うだけでなく、CapCutのその他の自動生成機能やテンプレート活用により、編集作業全体の効率が格段にアップします。
- よく使うモザイクサイズ・位置をテンプレ化
- 編集履歴を保存して同じ構成で再利用
- 共有機能で社内の他編集担当者と連携
動画1本あたりの処理時間を30分以上削減できる事例もあり、業務動画の量産体制においては大きなメリットとなります。
まとめ:CapCutでのモザイク処理は“無料×高機能”で業務にも強い味方
CapCutは、無料とは思えない高精度なモザイク処理機能を備え、顔や資料の一部に的確に加工を加えることができます。PCでもスマホでも操作可能で、キーフレームによる追従や複数モザイクの同時使用など、企業ユースに求められる機能を満たしています。
情報漏洩リスクの回避や、社外公開コンテンツのクオリティ担保など、ビジネス現場での動画活用においてCapCutのモザイク編集は大きな武器になるはずです。現場の業務効率を一段引き上げるために、今日から取り入れてみてはいかがでしょうか?