社内ネットワーク上で他のPCや共有フォルダが見えないと、業務が止まってしまうことがあります。特にWindows11では、セキュリティやネットワーク仕様の変更によって「ネットワークに表示されない」「共有フォルダが見えない」といったトラブルが増えています。この記事では、Windows11の最新バージョン(24H2対応)でネットワーク上のデバイスが表示されない原因と、その対処方法を具体的に解説します。業務でのファイル共有をスムーズにしたい方、IT担当者の方は必読ですよ。
Windows11でネットワークに表示されない原因を理解する
Windows11でネットワーク上の他のPCが表示されない原因はいくつかあります。これは単なるバグではなく、設定や通信の仕様によるものがほとんどです。ここでは代表的な要因を整理しておきましょう。
ネットワークプロファイルが「パブリック」になっている
Windows11では、ネットワークの種類が「パブリック」と「プライベート」に分かれています。
「パブリックネットワーク」は、外出先や公共Wi-Fiなど安全でない環境向けの設定で、ファイル共有やデバイス検出が自動的にブロックされます。
社内LANなどの安全な環境では「プライベートネットワーク」に設定しておく必要があります。
確認・変更方法:
- 画面右下のWi-Fiまたは有線アイコンをクリック
- 接続中のネットワーク名を選択
- 「ネットワークのプロパティ」をクリック
- 「ネットワーク プロファイルの種類」を「プライベート」に変更
これで、他のPCやプリンターなどがネットワーク上に表示されるようになります。特に社内ネットワークで接続されない場合は、この設定が真っ先に疑うべきポイントです。
ファイル共有機能が無効になっている
Windows11では、セキュリティ強化のため、初期状態では「ネットワーク探索」や「ファイルとプリンターの共有」がオフになっています。この設定がオフのままだと、相手のPCを検出できません。
対処方法:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」へ進む
- 「ネットワーク探索を有効にする」および「ファイルとプリンターの共有を有効にする」を選択
- 変更を保存して再起動
この設定を有効にすることで、ネットワーク上のPCを検出できるようになります。
SMB(ファイル共有プロトコル)が無効化されている
Windows11では、古い通信規格「SMB1.0」がセキュリティ上の理由でデフォルト無効化されています。SMB(Server Message Block)とは、Windows同士でファイルを共有するための通信ルールのことです。
古いNASやプリンターなどを使っている場合、このSMB設定が原因でネットワーク上に表示されないことがあります。
有効化手順:
- 「コントロールパネル」→「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化または無効化」
- 「SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート」にチェックを入れる
- PCを再起動
ただし、SMB1.0はセキュリティリスクがあるため、業務ネットワークではSMB2.0以上の利用が推奨されます。サーバーやNAS機器の対応状況を確認し、できるだけ新しい規格を使用するようにしましょう。
Windows11 24H2でネットワークにPCが表示されないときの確認ポイント
Windows11の最新バージョン(24H2)では、セキュリティポリシーやサービス構成の変更によって、従来の設定がそのままでは機能しないことがあります。ここでは、特に24H2で発生しやすい「ネットワークにPCが表示されない」問題の確認ポイントを紹介します。
ネットワーク探索サービスが無効になっている
Windows11では「ネットワーク探索サービス(Function Discovery Provider Host/Resource Publication)」がバックグラウンドで動いており、このサービスが止まるとデバイス検出ができません。
確認方法:
- 検索バーに「サービス」と入力してアプリを開く
- 「Function Discovery Provider Host」と「Function Discovery Resource Publication」を探す
- 右クリック→「プロパティ」→「スタートアップの種類」を「自動」に変更
- 状態が「停止中」の場合は「開始」をクリック
この2つのサービスが動作していないと、ネットワーク上のPCが一覧に表示されません。Windowsの大型アップデート後に無効化されることもあるため、再設定が必要です。
ファイアウォールで通信がブロックされている
セキュリティソフトやWindows Defenderのファイアウォール設定によって、ネットワーク探索がブロックされることがあります。特に社内VPNや外部セキュリティツールを併用している場合は注意が必要です。
確認手順:
- 「コントロールパネル」→「Windows Defender ファイアウォール」
- 「アプリまたは機能をWindows Defenderファイアウォールを通過させる」をクリック
- 「ファイルとプリンターの共有」「ネットワーク探索」が許可されているか確認
- 許可されていない場合はチェックを入れて保存
業務ネットワークでは、セキュリティを維持しながら必要な通信を通す設定バランスが大切です。IT管理者がポリシーで制限している場合は、設定変更の申請が必要なこともあります。
同じワークグループに属していない
Windowsネットワークでは、同じ「ワークグループ」に属していないと、PC同士が一覧に表示されません。
初期状態では「WORKGROUP」になっていますが、異なるグループ名を設定している場合は共有が機能しないことがあります。
設定確認方法:
- 「設定」→「システム」→「バージョン情報」
- 「デバイス名」「ワークグループ名」を確認
- 他のPCと同じワークグループ名に統一
グループ名を変更した場合は再起動が必要です。小規模なチームや社内LANであれば、すべてのPCを「WORKGROUP」に統一しておくとスムーズに接続できます。
Windows11で共有フォルダが表示されないときの解決手順
ネットワークにPCが表示されないだけでなく、「共有フォルダだけが見えない」「開けない」というケースも多くあります。これはフォルダのアクセス権限や共有設定の不備が原因です。ここでは、業務で頻発する共有フォルダトラブルを解消する具体的な方法を紹介します。
フォルダの共有設定を確認する
フォルダを共有しているつもりでも、実際には共有が無効になっていることがあります。Windows11では以前よりも権限設定が細かくなっているため、アクセス許可を再設定する必要があります。
設定手順:
- 対象フォルダを右クリック→「プロパティ」
- 「共有」タブ→「詳細な共有」をクリック
- 「このフォルダーを共有する」にチェック
- 「アクセス許可」から「Everyone」に「読み取り」または「変更」権限を付与
特に部署内で複数人が利用する共有フォルダでは、「Everyone」に読み取り権限を与えることでトラブルを防げます。ただし、外部ネットワークではセキュリティリスクがあるため、社内LAN内限定で利用するのが基本です。
ネットワーク資格情報を再入力する
ネットワーク上のフォルダを開こうとすると「アクセスできません」「資格情報が正しくありません」と表示されることがあります。これは、以前保存した認証情報が古くなっている可能性があります。
対処法:
- 「コントロールパネル」→「資格情報マネージャー」→「Windows資格情報」
- 関連する共有フォルダの情報を削除
- 再度接続時にユーザー名とパスワードを入力
特に社内でパスワードを変更した後は、古い資格情報が残っていると接続に失敗するため、定期的な更新が大切です。
Windows10とWindows11でネットワーク表示が異なる理由
Windows10では問題なかったのに、Windows11にアップグレードした途端に「ネットワーク上にPCが表示されない」と感じる人も多いでしょう。これは単なる不具合ではなく、設計思想の違いによるものです。
Windows11では、セキュリティとプライバシー保護の強化を目的に、初期設定で共有関連機能が制限されています。また、SMB1.0が無効化され、古いNASやプリンターとの互換性も下がっています。
そのため、以下の3点を意識することで、Windows10時代のような快適な共有環境を再現できます。
- ネットワークプロファイルを「プライベート」に設定する
- 「ネットワーク探索」と「ファイル共有」を手動で有効化する
- SMB2.0以上での通信を前提に設定する
この3つを押さえておけば、業務ネットワークでのファイル共有はスムーズに行えます。アップデートによる仕様変更に戸惑っている方は、これをチェックリスト代わりにするとよいでしょう。
右クリックで「名前を付けて画像を保存」するショートカットキーはある?
結論から言うと、Windows標準では「右クリック→名前を付けて画像を保存」に直接対応するショートカットキーは存在しません。
ただし、次の方法で似た動作を実現できます。
- Alt + F → A:ファイルメニューから「名前を付けて保存」を開く
- Ctrl + S:すでに開いている画像を上書き保存
特定の画像をすぐ保存したい場合は、右クリックメニューから「図として保存」を選ぶ必要があります。頻繁に使う場合は、クイックアクセスツールバーに「図として保存」を追加しておくと便利です。
また、AutoHotKeyなどのツールを使えば、自分専用のショートカットを作ることも可能ですよ。
まとめ:ネットワーク設定を整えればWindows11でも快適に共有できる
Windows11でネットワーク上のデバイスが表示されない原因の多くは、設定の初期化やセキュリティ強化によるものです。
特に「プライベートネットワーク設定」「ネットワーク探索」「SMBサービス」「ワークグループ名」の4つを確認することで、ほとんどのトラブルは解決できます。
業務で複数のPCを使う環境では、一台でも見えないPCがあると大きなロスになります。この記事を参考に一つずつ設定を見直し、チーム全体の作業効率を守っていきましょう。
ネットワークは、つながってこそ意味があります。正しく設定すれば、Windows11でも安心して共有業務を進められますよ。




























