「迎えに行く」の正しい敬語と使い分け|上司・取引先に失礼にならない言い回し大全

取引先を駅まで迎えに行くことになったとき、「迎えに行きます」とそのまま言っていいのか迷ったことはありませんか。

メールを書いていて「お迎えに行かせていただきます」と入力したものの、なんとなく違和感があって手が止まる。上司に送るメッセージならまだしも、初めて会う取引先や役員クラスの相手だと、言葉選びで失礼にならないか不安になりますよね。

ロロメディア編集部でも、展示会や打ち合わせで取引先を最寄り駅まで案内する機会があります。そのたびに感じるのは、「迎えに行く」という行動そのものより、どう伝えるかで印象がかなり変わるということです。

実は「迎えに行く」の敬語には場面ごとの使い分けがあります。「お迎えにあがります」「お迎えに参ります」「お迎えに伺います」など似ている表現が多いからこそ、相手との関係やシチュエーションによって選ぶことが大切です。

ここでは、上司・取引先・お客様に失礼にならない「迎えに行く」の正しい敬語と、メールやビジネス会話でそのまま使える例文まで詳しく解説します。

目次

「迎えに行く」の敬語は相手との関係によって使い分けるのが基本

「迎えに行く」の敬語は相手との関係によって使い分けるのが基本

「迎えに行く」の敬語は一つではありません。

「迎えに行きます」でも意味は通じますが、ビジネスではもう一段丁寧な表現を使うことが多くなります。

特に、取引先やお客様に対しては、自分の動作をへりくだる謙譲語を使うのが基本です。

相手適した表現丁寧さ
同僚・部下迎えに行きます普通
上司お迎えに参ります丁寧
取引先お迎えにあがります丁寧
お客様お迎えに伺います丁寧
メール文お迎えにあがりますのでお待ちください丁寧

「迎えに行く」という行為は自分側の動作です。

そのため「いらっしゃる」のような尊敬語ではなく、「参る」「伺う」「あがる」といった謙譲語を使うことで、相手を立てる表現になります。

取引先には「お迎えにあがります」が自然な敬語になる

取引先には「お迎えにあがります」が自然な敬語になる

初めて会う取引先を駅まで迎えに行くとき、「迎えに行きます」では少し事務的に感じることがあります。

そのような場面で最も使いやすいのが「お迎えにあがります」です。

「お迎えにあがります」がよく使われる理由

「あがる」は「行く」の謙譲語です。

自分が相手のところへ出向くことをへりくだって表現するため、営業や接客ではよく使われます。

例えば展示会の待ち合わせなら、次のような言い方が自然です。

「14時に東京駅八重洲口へお迎えにあがります。」

「会場入口まで弊社スタッフがお迎えにあがります。」

相手に対して配慮が伝わりやすく、堅すぎない印象になります。

「お迎えに行かせていただきます」は使いすぎに注意する

メールで「お迎えに行かせていただきます」と書いている人も多いですが、少し回りくどく感じることがあります。

「させていただく」は、相手の許可や恩恵がある場合に使うのが本来の使い方です。

迎えに行く行為は自社の判断で行うケースがほとんどなので、

「お迎えにあがります」

「お迎えに参ります」

のほうがシンプルで読みやすくなります。

上司に対しては「お迎えに参ります」が使いやすい

上司に対しては「お迎えに参ります」が使いやすい

社内で役員や上司を迎えに行く場合、「お迎えに参ります」がよく使われます。

「参る」は「行く」の謙譲語なので、目上の人に対して失礼になりません。

社内連絡では過剰敬語にしないほうが自然

新入社員のころは「お迎えに伺わせていただきます」など、必要以上に敬語を重ねてしまうことがあります。

しかし社内であれば、

「15時にロビーまでお迎えに参ります」

くらいがちょうど良い表現です。

長すぎる敬語は、かえって不自然に聞こえることもあります。

チャットやメールで使える例文

急いで送るTeamsやSlackでも使いやすい表現があります。

  • 10分後に正面玄関までお迎えに参ります。
  • 到着されましたらご連絡ください。お迎えに参ります。
  • 会場入口にてお迎えに参ります。

文章が長くならないので、ビジネスチャットでも使いやすいです。

お客様に対しては「お迎えに伺います」が柔らかい印象になる

お客様に対しては「お迎えに伺います」が柔らかい印象になる

ホテルやクリニック、送迎サービスなどでは「お迎えに伺います」という表現が多く使われます。

「伺う」は「訪問する」の謙譲語です。

直接相手のもとへ出向くことを丁寧に伝えられるため、接客業との相性が良い言葉です。

「伺う」は訪問のニュアンスが強い

空港送迎や駅までの送迎などでは、

「スタッフがお迎えに伺います」

という表現が自然です。

一方で、自分が待ち合わせ場所に行くだけの場合は「参ります」や「あがります」のほうがしっくりくることもあります。

訪問する感覚があるかどうかで使い分けると迷いません。

サービス業で使われる例文

美容クリニックやホテルでも次のような表現がよく使われます。

「到着時間に合わせてスタッフがお迎えに伺います。」

「駅に到着されましたらお電話ください。お迎えに伺います。」

柔らかく親切な印象を与えられます。

「お迎えさせていただきます」は間違いではないが多用しないほうがよい

「お迎えさせていただきます」は間違いではないが多用しないほうがよい

ビジネスメールでよく見かける表現ですが、実は少し過剰な敬語になることがあります。

「させていただく」は便利な言葉ですが、何でも付ければ丁寧になるわけではありません。

読みにくくなる原因は敬語が重なること

例えば、

「弊社スタッフがお迎えさせていただきます。」

よりも、

「弊社スタッフがお迎えにあがります。」

のほうが簡潔です。

読みやすく、相手にも伝わりやすくなります。

使っても問題ないケース

相手から送迎を依頼されている場合は、

「当日はお迎えさせていただきます。」

でも問題ありません。

ただし、毎回使うと文章が重くなるため、適度に使い分けることが大切です。

「迎えに来る」の敬語を相手側の動作に使うときの言い方

「迎えに来る」の敬語を相手側の動作に使うときの言い方

自分ではなく、相手が迎えに来る場合は尊敬語を使います。

ここを間違えると失礼になりやすいポイントです。

「迎えにいらっしゃる」が基本

上司や取引先がこちらへ来る場合は、

「お迎えにいらっしゃる予定でしょうか。」

「○○様がお迎えにいらっしゃるとのことです。」

のように表現します。

「迎えに来られる」は使えるが少し曖昧

「迎えに来られる」でも意味は通じます。

ただし、「来られる」は可能の意味にも取れるため、ビジネスでは「いらっしゃる」のほうが丁寧で分かりやすくなります。

メールでそのまま使える「迎えに行く」の敬語例文

メールでそのまま使える「迎えに行く」の敬語例文

急いでメールを書くときに迷わないよう、実際によく使う例文をまとめます。

取引先向け

「当日は13時に東京駅八重洲口までお迎えにあがります。」

「到着されましたらご連絡ください。すぐにお迎えに参ります。」

お客様向け

「スタッフがお迎えに伺いますので、そのままお待ちください。」

「駅にご到着後、お電話いただければお迎えに伺います。」

社内向け

「開始時間の15分前にロビーまでお迎えに参ります。」

「エントランスでお待ちしておりますので、お迎えに参ります。」

「お出迎えいたします」はフォーマルな場面で使いやすい

「お出迎えいたします」はフォーマルな場面で使いやすい

ホテルや式典などでは「お出迎えいたします」という言葉も使われます。

少し格式の高い表現なので、会社の重要顧客やイベントでは相性が良い言い回しです。

フォーマルな印象を与えられる

「担当者がお出迎えいたします。」

「会場入口にてお出迎えいたします。」

このように使うと、上品で落ち着いた印象になります。

普段のメールでは少し堅いこともある

日常の営業メールで使うと、少し大げさに感じられることがあります。

普段は「お迎えにあがります」で十分なケースが多いでしょう。

「迎えに行く」の敬語でよくある間違い

「迎えに行く」の敬語でよくある間違い

「お迎えに行かれます」は自分には使わない

「行かれる」は尊敬語です。

自分の行動に使うと誤用になります。

自分側なら、

「お迎えに参ります」

「お迎えにあがります」

を使います。

「お迎えに行かせていただきます」の乱用

便利な言葉ですが、多用すると回りくどくなります。

簡潔さもビジネスマナーの一つです。

相手に伝わりやすい文章を意識したほうが好印象になります。

「迎えに行く」の敬語は相手との関係で使い分けるのが正解

「迎えに行く」の敬語は相手との関係で使い分けるのが正解

「迎えに行く」の敬語は、相手との距離感で選ぶことが大切です。

取引先なら「お迎えにあがります」、上司なら「お迎えに参ります」、お客様なら「お迎えに伺います」が基本になります。

迷ったときは、

「自分の行動をへりくだる」

という考え方を意識すると、自然な敬語になります。

過剰に「させていただく」を重ねるよりも、短く分かりやすい表現のほうが相手に伝わります。

「迎えに行く」という一言でも、言い回しを変えるだけで印象は大きく変わります。大切な相手とのやり取りだからこそ、自然で失礼のない表現を選びたいですね。

参考記事

  • 国語審議会「敬語の指針」
  • 文化庁「敬語の指針」
  • NHK放送文化研究所「ことばQ&A」
  • 三省堂「大辞林」
  • 小学館「デジタル大辞泉」

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