「先方にコンタクトを取っておきます」と書いたあとで、少し手が止まることがあります。
意味は伝わる。でも、上司宛てのメールや取引先への文面に入れると、少しカジュアルに見える。そんな微妙な違和感です。
ロロメディア編集部でも、営業メールや社内報告の文面を整える時に、「コンタクトを取る」をそのまま使うか、「ご連絡する」に変えるかで迷うことがあります。特に、まだ関係性が浅い相手や、初回接点を作る場面では、言葉ひとつで印象が変わります。
結論から言うと、「コンタクトを取る」はビジネスで使えますが、ややカジュアルで抽象的な表現です。社内会話やラフな報告では使いやすい一方、取引先へのメール、上司への正式な報告、謝罪や依頼の文面では、「ご連絡する」「お声がけする」「ご相談する」「確認を取る」「アポイントを取る」などに言い換えた方が自然です。
大事なのは、単に別の言葉に置き換えることではありません。誰に、何の目的で、どの距離感で連絡するのか。ここを見て言葉を選ぶと、文章が一気に仕事っぽく整います。
「コンタクトを取る」の意味とビジネスでの使いどころ

ただ、ビジネス文書で見ると、少し幅が広い言葉です。電話するのか、メールするのか、面談を申し込むのか、情報交換するのかが見えにくいんですね。
「連絡する」より少し広い意味を持つ
「コンタクトを取る」は、単なる連絡よりも「接点を作る」ニュアンスがあります。初めての相手に声をかける、関係者へ打診する、外部の担当者とつながる。こういう場面では使いやすい表現です。
たとえば、社内会議で「まずはA社にコンタクトを取ってみます」と言えば、相手に何らかの接触を試みる意味として自然に伝わります。まだメールか電話か決まっていない段階なら、むしろ便利な言葉でしょう。
一方で、メール本文に「貴社へコンタクトを取りたく」と書くと、少し横文字っぽく見えます。相手によっては、軽い営業文のように感じるかもしれません。
社外メールでは具体的な言葉に変えた方が安全
社外向けでは、「コンタクトを取る」よりも行動が分かる言葉にした方が印象が安定します。メールなら「ご連絡する」、相談なら「ご相談する」、面談希望なら「お打ち合わせの機会をいただく」と書く方が丁寧です。
たとえば、提出前の営業メールで「一度コンタクトを取らせてください」と書くと、少し雑に見えることがあります。相手は「何のために?」「電話?メール?商談?」と受け取り方に迷います。
「コンタクトを取る」の基本的な言い換え表現

まずは、ビジネスで使いやすい基本表現を押さえておきましょう。最初から難しい敬語にしなくても、目的に合った言葉を選ぶだけで文章はかなり整います。
迷ったら「ご連絡する」が一番使いやすい
最も無難な言い換えは「ご連絡する」です。メール、電話、チャットなど手段を限定せず使えるので、社内外どちらでも自然です。
たとえば、「先方にコンタクトを取ります」は「先方へご連絡します」と言い換えられます。社外向けなら「ご連絡させていただきます」も使えますが、少し丁寧すぎる場面もあるため、文脈に合わせて選びましょう。
基本表現を整理すると、次のようになります。
| 元の表現 | 言い換え | 向いている場面 |
|---|---|---|
| コンタクトを取る | 連絡する | 社内の通常会話 |
| コンタクトを取る | ご連絡する | 社外メール・丁寧な報告 |
| コンタクトを取る | 声をかける | 社内・カジュアルな相談 |
| コンタクトを取る | お声がけする | 丁寧な社内外連絡 |
| コンタクトを取る | 打診する | 依頼前の確認 |
| コンタクトを取る | 相談する | 意見や判断を求める場面 |
| コンタクトを取る | アポイントを取る | 面談や商談の日程調整 |
表で見ると分かる通り、万能の言い換えはありません。目的が連絡なのか、相談なのか、面談調整なのかで変える必要があります。
「接触する」はビジネスメールでは硬く見えやすい
「コンタクト」の直訳に近い言葉として「接触する」があります。ただ、ビジネスメールで「先方に接触します」と書くと少し硬く、場合によっては警戒感のある表現に見えます。
たとえば、営業活動の報告で「A社へ接触しました」と書くと、意味は通ります。ただ、相手との関係づくりというより、調査や交渉のような印象が強くなります。
社内で使いやすい「コンタクトを取る」の言い換え

社内では、そこまで堅苦しい敬語は必要ありません。ただし、上司への報告や議事録では、ラフすぎる言葉を避けた方がいい場面もあります。
同僚には「声をかける」が自然
同僚や近いチームメンバーには、「声をかける」がかなり使いやすいです。柔らかく、押しつけがましくない表現だからです。
たとえば、「デザインチームにコンタクトを取ります」は「デザインチームに声をかけてみます」と言えます。まだ正式依頼ではなく、軽く確認したい段階に向いています。
上司への報告では「確認を取る」「相談する」が使いやすい
上司への報告では、行動の目的が分かる言葉を選びます。相手に何かを聞くなら「確認を取る」、判断を仰ぐなら「相談する」、日程を押さえるなら「調整する」です。
たとえば、「A社にコンタクトを取ります」だと、何をするのか少し曖昧です。上司は、確認なのか提案なのか、商談なのか分かりません。
実務では、こう言い換えます。
「A社の担当者へ納期について確認を取ります」
「A社へ次回提案の可否を相談します」
「A社へ打ち合わせ日程を調整します」
社外メールで使える丁寧な言い換え表現

社外メールでは、「コンタクトを取る」をそのまま使うより、丁寧で具体的な表現にした方が安心です。特に初回連絡、依頼、営業、謝罪、確認の場面では、言葉の選び方が相手の印象に直結します。
初回連絡では「ご連絡差し上げました」が自然
初めて相手に連絡する場合は、「ご連絡差し上げました」が使いやすいです。少し改まった印象があり、営業や問い合わせでも自然に使えます。
例文としては、次のようになります。
「〇〇様よりご紹介いただき、ご連絡差し上げました。」
「資料を拝見し、ぜひ一度ご相談できればと思い、ご連絡差し上げました。」
ここで「コンタクトを取りたくご連絡しました」と書くと、少し不自然です。初回連絡では、目的を先に書き、そのうえで「ご連絡差し上げました」と結ぶ方が読みやすくなります。
相談したい時は「ご相談の機会をいただく」
相手に意見や判断を求めたい場合は、「ご相談の機会をいただく」が自然です。単に連絡するだけでなく、相手の時間をもらうニュアンスが入ります。
たとえば、「一度コンタクトを取らせてください」よりも、「一度ご相談の機会をいただけますでしょうか」の方が丁寧です。相手に対して、何をお願いしているのかも明確になります。
営業メールで「コンタクトを取る」を自然に言い換える方法

営業メールでは、「コンタクトを取る」という言葉を避けた方が無難です。理由は、相手から見ると「売り込まれそう」という印象が強くなりやすいからです。
営業側は接点づくりのつもりでも、受け取る側は毎日大量の営業メールを見ています。その中で「コンタクトを取りたく」と書かれていると、テンプレ感が出やすいんですね。
初回営業では「情報交換」が柔らかい
まだ売り込みではなく、相手の課題を聞きたい段階なら「情報交換」という表現が使えます。営業色を少し和らげられる言葉です。
たとえば、次のように書けます。
「同業界での支援事例がございますので、ご関心があれば短時間で情報交換させていただけますと幸いです。」
商談化したい時は「お打ち合わせの機会」が適切
相手と具体的に話す場を作りたいなら、「お打ち合わせの機会」が適切です。「コンタクト」よりも目的がはっきりします。
例文は次の通りです。
「貴社の状況を伺ったうえで、弊社からご提案できる内容を整理したく、30分ほどお打ち合わせのお時間を頂戴できますと幸いです。」
依頼メールで使える「コンタクトを取る」の言い換え

依頼メールでは、「コンタクトを取る」よりも、「お願いしたいこと」が伝わる表現に変えます。依頼なのに接点づくりの言葉を使うと、目的がぼやけます。
担当者を紹介してほしい時は「おつなぎいただく」
誰かを紹介してほしい場合は、「おつなぎいただく」が使えます。相手に仲介をお願いする表現です。
例文としては、次のようになります。
「本件について、貴社のご担当者様へおつなぎいただくことは可能でしょうか。」
「〇〇について確認したく、担当部署の方へおつなぎいただけますと幸いです。」
「コンタクトを取りたいので紹介してください」よりも、ずっと丁寧です。特に社外の相手に担当者紹介を依頼する場合は、「おつなぎいただく」が自然でしょう。
返信がほしい時は「ご返信いただく」
たとえば、「ご確認後、コンタクトいただけますでしょうか」は不自然です。「ご確認後、ご返信いただけますでしょうか」と書けば十分です。
返信期限がある場合は、「〇月〇日までにご返信いただけますと幸いです」と書きます。期限がない依頼は後回しにされやすいため、必要なら日付まで入れましょう。
確認・調整の場面で使う言い換え表現

ビジネスでは、相手に連絡する目的が「確認」や「調整」であることが多いです。この場合、「コンタクトを取る」ではなく、何を確認するのか、何を調整するのかまで書くと伝わりやすくなります。
事実確認なら「確認を取る」
納期、金額、出席可否、担当者名などを確かめる場合は、「確認を取る」が適切です。社内外どちらでも使えます。
例文は次の通りです。
「納品日について、先方へ確認を取ります。」
「参加可否について、関係者へ確認を取っております。」
「見積金額に相違がないか、経理部へ確認を取ります。」
この表現は、報告文でかなり使いやすいです。相手に連絡する目的が明確なので、上司やチームメンバーも状況を把握しやすくなります。
日程調整なら「調整する」
たとえば、「A社とコンタクトを取ります」ではなく、「A社と次回打ち合わせの日程を調整します」と書きます。これだけで、行動の粒度が上がります。
社外メールなら、次のように使えます。
「次回のお打ち合わせ日程について、調整させていただけますでしょうか。」
日程調整は、相手の時間に関わるため、丁寧に書いた方が印象が良いです。
「コンタクトを取る」を敬語にする時の注意点

「コンタクトを取る」を敬語にしようとして、「コンタクトを取らせていただきます」と書く人がいます。意味は通りますが、少し不自然に見えることがあります。
「コンタクトを取らせていただく」は多用しない
「コンタクトを取らせていただく」は、間違いとまでは言い切れません。ただ、ビジネスメールではやや回りくどい表現です。
たとえば、「貴社へコンタクトを取らせていただきたく」は、横文字と敬語が混ざって少し読みにくくなります。相手によっては、営業テンプレートのように感じるかもしれません。
この場合は、素直に「ご連絡差し上げたく」「ご相談の機会をいただきたく」「お打ち合わせをお願いしたく」と書く方が自然です。
敬語は動作の目的に合わせて選ぶ
敬語表現を選ぶ時は、「何をするのか」を先に決めます。連絡するなら「ご連絡」、相談するなら「ご相談」、聞くなら「お伺い」、会うなら「お打ち合わせ」です。
たとえば、「先方にコンタクトを取ってください」を丁寧にするなら、相手の動作によって変わります。
「先方へご連絡いただけますでしょうか」
「先方へご確認いただけますでしょうか」
「先方へお打ち合わせのご相談をお願いいたします」
場面別に使える「コンタクトを取る」の例文

ここからは、実際のビジネスシーンでそのまま使える例文を紹介します。言い換え表現は、知っているだけでは使いにくいので、文の形で覚えるのが一番早いです。
社内報告で使える例文
社内報告では、簡潔で行動が分かる表現を使います。必要以上に丁寧にしなくても大丈夫です。
「A社の担当者へ納期について確認を取ります。」
「本件について、法務部へ相談します。」
「〇〇さんに声をかけ、対応可否を確認します。」
「先方へ次回打ち合わせの日程を調整します。」
「関係部署へ共有し、必要な確認を進めます。」
社外メールで使える例文
社外メールでは、少し丁寧にします。ただし、へりくだりすぎると読みにくくなるため、目的をはっきり書きます。
「貴社サービスについて確認したい点があり、ご連絡差し上げました。」
「本件について、一度ご相談の機会をいただけますでしょうか。」
「ご担当者様へおつなぎいただくことは可能でしょうか。」
「詳細を伺いたく、30分ほどお打ち合わせのお時間を頂戴できますと幸いです。」
「資料を拝見し、弊社でもお役に立てる可能性があると考え、ご連絡いたしました。」
「コンタクトを取る」と似た表現の違い

「連絡する」「問い合わせる」「打診する」「アポイントを取る」は、似ているようで意味が違います。ここを曖昧にすると、文章がぼやけます。
たとえば、上司に「A社へ問い合わせます」と報告した場合、相手へ質問する意味になります。「A社へ打診します」なら、正式依頼前に可能性を探る意味です。この違いを使い分けると、かなり仕事ができる文章になります。
「問い合わせる」は質問する時に使う
「問い合わせる」は、不明点を相手に確認する時に使います。問い合わせ先、問い合わせ内容がある場面です。
一方で、「新規取引について問い合わせます」と書くと、少し曖昧です。取引を相談したいのか、条件を聞きたいのか、担当者を探したいのか分かりません。その場合は、「新規取引についてご相談します」や「担当部署へおつなぎいただけるか確認します」と書く方が自然です。
「打診する」は正式依頼前に使う
「打診する」は、正式に依頼する前に相手の意向や可能性を探る時に使います。少しビジネス寄りで、社内報告にも向いています。
ただし、社外メールで相手本人に「打診させていただきます」と書くと少し硬く見えます。社内報告では「打診」、相手へのメールでは「ご相談」が自然です。
使わない方がいい言い換え表現

言い換え表現の中には、意味は近くてもビジネスでは使いにくいものがあります。特に、上から目線に見える表現や、距離感が近すぎる表現には注意が必要です。
「接触する」は相手によっては冷たく見える
先ほども触れましたが、「接触する」は一般的なビジネスメールでは少し硬いです。特に相手本人に向けて「接触させていただきたく」と書くのは不自然です。
社内報告で「A社へ接触予定」と書くことはあります。ただ、営業色や調査色が強くなるため、通常の連絡には向きません。
相手との関係を丁寧に作りたいなら、「ご連絡」「ご相談」「お打ち合わせ」の方が自然です。
「アプローチする」は営業色が強い
たとえば、社内では「次は人事部門へアプローチします」で通じます。でも、相手に「貴社へアプローチしたく」と書くと、売り込み感がかなり出ます。
社外メールでは、「ご相談」「情報交換」「お打ち合わせ」の方が柔らかいです。相手目線で読むと、違いが分かりやすくなります。
ビジネス文で自然に見える使い分け早見表

「コンタクトを取る」の言い換えは、相手との関係性より先に、目的で選びます。そのうえで、社内なら少し簡潔に、社外なら丁寧に整えると失敗しにくくなります。
目的別の言い換え早見表
| 目的 | 社内向け | 社外向け |
|---|---|---|
| 連絡する | 連絡する | ご連絡する |
| 初回連絡 | 声をかける | ご連絡差し上げる |
| 相談する | 相談する | ご相談する |
| 面談したい | 日程調整する | お打ち合わせの機会をいただく |
| 担当者紹介 | つないでもらう | おつなぎいただく |
| 確認する | 確認を取る | ご確認させていただく |
| 可能性を聞く | 打診する | ご相談する |
| 返事をもらう | 返信をもらう | ご返信いただく |
この表の使い方は簡単です。まず自分が相手に何をしたいのかを決めます。連絡なのか、相談なのか、依頼なのか、面談なのか。そこから表現を選んでください。
まとめ|「コンタクトを取る」は目的に合わせて具体的に言い換える

「コンタクトを取る」は、ビジネスで使える表現です。ただし、ややカジュアルで、意味の幅が広い言葉でもあります。
社内の会話やラフな報告なら、「先方にコンタクトを取ります」でも通じます。一方で、社外メール、正式な報告、依頼文では、「ご連絡する」「ご相談する」「確認を取る」「お打ち合わせの機会をいただく」など、目的が分かる表現に変えた方が自然です。
言い換えで大事なのは、言葉をきれいにすることではありません。相手が読んだ時に、「何のための連絡なのか」「自分は何をすればいいのか」がすぐ分かるようにすることです。
横文字を使うと、少し仕事ができる雰囲気は出ます。でも、実務で評価されるのは、かっこいい言葉より伝わる言葉です。相手に迷わせない表現を選ぶ。それだけで、メールも報告も一段読みやすくなりますよ。
参考記事:















