件名を書かずに夜中に送信されるメール、失礼じゃないか…。そんな不安を持つあなたへ。Outlook の送信予約(メールを指定時間に送る機能)を正しく設定しておけば、夜間に送ったメールが翌朝に届くようにできます。この記事では、Web版やスマホ版も含めた送信予約の設定方法、配信タイミングの仕組み、送信されないトラブルの原因と解決策まで、実践ベースで丁寧に解説します。これをマスターすれば、ビジネスメールがもっとスマートになりますよ。
Outlookで送信予約をする基本操作
送信予約の仕組みを知っておこう
送信予約とは、メールを今書いておくものの、指定した日時にOutlookが自動で送信する機能です。
この機能は、「Delay Delivery(配信遅延)」または新しい Outlook では「Schedule Send(送信予約)」という名称で提供されています。
通常のメール送信と異なり、Outlook がメッセージを「送信待ちフォルダー(Outbox や Drafts)」に一時保存し、指定時刻になったら配信します。
ただし重要なのは、使用している Outlook の種類(デスクトップ版/Web版/モバイル版)やアカウントの種類(Exchange、IMAP、POP)によって、送信予約機能の可否や挙動が異なる点です。
また、デスクトップ版では Outlook を起動しておかないと送信されないケースもあります(後述)。
デスクトップ版Outlookで送信予約を設定する方法(Windows/Mac)
Windows版 / 古典版(Classic Outlook)での設定
- メール作成画面で「オプション」タブを選ぶ
- 「配信オプション(Delivery Options)」を選択
- “Do not deliver before(指定日時以降に配信)” のチェックを入れ、日時を指定
- 「閉じる(Close)」を押して、通常どおり「送信(Send)」をクリック
- するとメールは Outbox フォルダーに入り、指定時刻になると自動で送信されます
この方法では、Outlook が起動していないとメールは配信されず、Outbox のまま残ることがあります。
新しい Outlook / Microsoft 365版での設定
新しい Outlook では、「送信(Send)」ボタンにドロップダウンがあり、そこから「Schedule Send」を選択できます。
送信日時を選び、「送信」を押すことで予約がかかります。
この方式は Web 版と同じ操作感で扱いやすくなっています。
Web版 Outlook(Outlook on the Web)で送信予約する方法
- Web ブラウザで Outlook にログイン
- メール作成フォームを開く
- 「送信」ボタン横の下向き矢印(▼)をクリック
- 「Schedule Send(送信予約)」を選択
- 表示される日時指定ウィンドウで、配信したい日付と時刻を入力
- 「送信(Send)」を押すと、メールは Drafts フォルダーに保存され、指定時刻で配信されます
Web 版では、Outlook を閉じていても送信予約が機能します。これは、サーバ側で予約処理されるためです。
送信予約が “送信されない” ときの原因と対処法
使ってみたはいいけれど、「予約したはずのメールが送信されていない」「Outlookを閉じたら配信されなかった」というトラブルは少なくありません。ここでは代表的な原因と、確実に解決する手順を見ていきます。
原因①:Outlook(デスクトップ版)が起動していない
Classic Outlook の Delay Delivery 方式では、Outlook がバックグラウンドで起動していないと予約送信が実行されないという性質があります。
つまり、指定時刻になっても Outlook を閉じていると、Outbox に残ったままになってしまいます。
Web 版や新しい Outlook ではサーバ処理なのでこの制約はありません。
対処法
- 送信予約したメールを確実に送信したいなら、送信時刻までは Outlook を開いておく
- または Web 版での予約送信(サーバ側処理)を利用すると、PCをオフにしていても送信されます
原因②:アカウント形式が IMAP または POP の場合、予約送信機能が制限されている
新しい Outlook では、メールアカウントが Exchange プロトコル(Microsoft 365 や Exchange Server)でないと「Schedule Send」オプションが表示されない場合があります。
IMAP や POP アカウントだとこの機能が制限されていることが報告されています。
対処法
- アカウントを Exchange 形式に切り替えられるなら切り替える
- または Delay Delivery を使い、Outlook 起動状態で配信する方式を利用
- 企業環境であれば、IT 管理者にアカウント形式変更を相談
原因③:オプション設定・機能が有効化されていない
Outlook の画面 UI や設定によっては、「送信予約(Schedule Send)」や「Delay Delivery」がメニューに表示されないことがあります。
特に、旧バージョンの Outlook や古い UI を使っている環境でこの現象が起こります。
対処法
- Outlook のバージョンを最新に更新
- 新しい Outlook モード(New Outlook)を有効にする
- メール作成画面を “ポップアウト(別ウィンドウで開く)” 形式にして操作オプションを確認
- 標準 UI にない場合は「オプション」や「その他」「…(三点リーダ)」の中を探す
原因④:配信時間の設定ミス・タイムゾーンのずれ
指定した配信時間が過去の時間であったり、タイムゾーン設定がずれていると、予約が無効化されるか即時送信が起こることがあります。
また、サーバ側時間との差異が影響することもあります。
対処法
- 配信日時を現在から先となる時間に設定
- Outlook / Windows のタイムゾーン設定を確認
- サーバ時間(クラウド基盤)と同期ずれがないかチェック
Outlook送信予約の配信タイミングを正しく理解する
Outlookで送信予約を設定しても、送信されるタイミングは環境によって異なります。
その仕組みを理解しておくことで、「送信されない」「思った時間に届かない」といったトラブルを防ぐことができます。
デスクトップ版Outlookの配信タイミング
デスクトップ版(旧Outlook、Windowsアプリ版)では、Outlookが起動している間のみ送信処理が動作します。
つまり、送信予約を設定していても、Outlookを閉じてパソコンをシャットダウンしていると、その間は送信が保留になります。
再びOutlookを起動したタイミングで送信キューが処理され、送信される仕組みです。
この動作は「Delay Delivery(配信遅延)」機能の仕様によるもので、Outlookがメール送信を行うためのクライアント側タスクを持っているためです。
社内でPCを夜間シャットダウンする環境では、この仕様を理解しておく必要があります。
Web版Outlookの配信タイミング
一方、Web版Outlook(Outlook on the Web / Outlook.com)はサーバー側で送信予約を管理しています。
そのため、ブラウザを閉じていても、PCの電源を切っていても、指定時刻になると自動的に送信されます。
クラウド上で処理されるため、安定性も高く、ビジネス利用ではWeb版の方が確実です。
Microsoft 365(新しいOutlook)の挙動
新しいOutlook(Microsoft 365アプリ版)は、Web版と同様にクラウド側でスケジュールを保持します。
つまり、パソコンを閉じてもメールは予定どおり送信されるようになっています。
企業でMicrosoft 365を導入している場合はこちらを利用するのが最も確実です。
Outlookをシャットダウンしても送信予約できる?環境別の動作比較
Outlookの送信予約は「パソコンを閉じても送られるのか?」という質問が非常に多く寄せられます。
結論から言えば、環境によって結果が異なります。以下で整理しましょう。
環境 | シャットダウン中に送信されるか | 備考 |
---|---|---|
Outlookデスクトップ版(旧) | ✕ 送信されない | Outlookを起動しておく必要あり |
Outlook新バージョン(Microsoft 365) | ○ 送信される | クラウド送信に対応 |
Outlook Web版(Outlook on the Web) | ○ 送信される | サーバーで処理される |
スマホアプリ(Outlook Mobile) | ○ 送信される | アプリを閉じてもOK |
このように、クラウド連携型(Web版・新Outlook・スマホ版)は常にサーバー側で送信処理を実行します。
一方で、デスクトップアプリの旧バージョンは自端末で送信タスクを実行するため、電源を切ると動作が止まります。
もし業務で夜間や休日に送信予約を多用するなら、Web版OutlookまたはMicrosoft 365版の利用をおすすめします。
スマホアプリでOutlook送信予約を設定する方法
スマートフォンアプリ(iOS・Android)でもOutlookの送信予約機能を利用できます。
外出先や移動中でも、指定時刻に自動送信されるよう設定できるので非常に便利です。
iPhone(iOS版Outlook)で送信予約する手順
- Outlookアプリを開く
- 新規メール作成アイコンをタップ
- 宛先・件名・本文を入力
- 右上の「…(その他)」をタップ
- 「送信日時を指定」を選ぶ
- カレンダーから日時を指定して「完了」を押す
これで指定時刻になると、Outlookのサーバーから自動的に送信されます。
アプリを閉じていても送信されるので安心です。
Android版Outlookの操作手順
AndroidもiOSとほぼ同じ手順です。
メール作成画面右上の三点メニュー(…)から「送信予約」を選び、日時を入力します。
MicrosoftアカウントやExchangeアカウントを使っていれば、同様にサーバー処理で送信されます。
スマホ版で送信予約できない場合のチェックポイント
まれに「送信予約オプションが表示されない」「送信予約を押しても即送信される」というケースがあります。
その場合は以下を確認しましょう。
- アプリが最新バージョンであるか(App Store / Google Playで更新)
- Microsoft 365またはExchangeアカウントでログインしているか(Gmail連携では機能制限あり)
- 通信がオフラインになっていないか
これらを確認しても表示されない場合は、アプリの再起動または再インストールを試してみてください。
Outlook送信予約の確認・変更・キャンセル方法
送信予約をした後に「やっぱり時間を変えたい」「内容を修正したい」と思うことはよくあります。
Outlookでは送信前であれば自由に変更・削除が可能です。
デスクトップ版Outlookでの確認方法
- ナビゲーションバーから「送信トレイ」または「下書き」フォルダーを開く
- 予約中のメールが残っていることを確認
- ダブルクリックで開くと、「配信オプション」に設定した日時が表示される
送信前ならば、そのまま本文を編集したり、送信日時を再設定したりできます。
Web版Outlookでの確認・変更方法
- Outlook.com または Microsoft 365 Web版にログイン
- サイドバーの「送信予定」フォルダーを開く
- 変更したいメールを開き、右上の「…」メニューから「送信時刻を変更」または「送信をキャンセル」を選択
キャンセルしたメールは「下書き」に戻るため、再編集・再予約も可能です。
Outlookの送信予約はバレる?相手にどう見えるか
多くの人が気にするのが「Outlookで送信予約したら相手にバレるのか?」という点です。
結論から言えば、受信者側には送信予約をしたことはわかりません。
相手に届くのは通常の送信メールと同じ形式で、ヘッダーにも「予約送信」などの情報は残りません。
ただし、同僚や上司が共有アカウントを使っている場合や、管理者がメールログを監視できる環境では、
送信日時と作成日時の差から「予約送信っぽい」と気づかれる可能性はあります。
とはいえ通常のビジネス利用では問題視されません。
むしろ、夜中や休日にメールを送らず、翌朝に届くよう設定するのは“配慮あるビジネスマナー”として高く評価されることも多いです。
まとめ:Outlook送信予約を使いこなして、時間の使い方をスマートに
Outlookの送信予約は、単なる便利機能ではなく、働き方の質を上げるためのツールです。
時間外にメールを作成しても、相手に配慮したタイミングで送ることができる。
これは現代のビジネス環境において非常に重要なマナーです。
この記事で紹介したポイントをもう一度整理すると:
- デスクトップ版Outlookでは、起動中のみ送信される
- Web版・Microsoft 365版・スマホ版では、PCを閉じても送信される
- 「送信されない」「オプションが出ない」場合は、アカウント形式・バージョン・ネット接続を確認
- 送信予約は受信者にはバレない
- スマートな時間指定で、相手にも自分にも優しいメール運用ができる
Outlook送信予約を上手に使いこなせば、
“働きすぎているように見えない働き方”を実現できます。
今日から、あなたのメール運用を少しスマートに変えてみませんか。