「この件、内々で進めておいて」と言われたとき、どこまで共有していいのか迷うことがありますよね。会議前に上司から急に言われたり、取引先との打ち合わせ後に「まだ社外には出さないでください」と補足されたりすると、メール文面ひとつでも手が止まります。うっかり共有範囲を間違えると、社内調整が崩れたり、相手先に迷惑をかけたりするので、かなり慎重になる場面です。
「内々で」とは、表立てずに、限られた関係者だけで、非公式に進めるという意味です。辞書でも「内々」は、表立てないこと、内輪、こっそり、内密にという意味で説明されています。つまり、まだ正式発表前の話、広く共有する段階ではない話、関係者だけで確認したい話に使う言葉です。(kotobank.jp)
「内々で」は表立てず限られた関係者だけで扱うという意味

「内々で」は、物事を外部や大勢に知らせず、限られた範囲で扱うときに使う表現です。社内だけで検討する、関係部署だけで先に確認する、正式発表前に一部メンバーへ共有する、こうした場面で使われます。
たとえば、組織変更、価格改定、人事異動、新サービス、取引条件の変更などは、正式決定前に広く共有すると混乱が起きます。そこで「まずは内々で確認しましょう」と言うわけです。
「内々で」と「内密に」の違い
「内々で」と似た言葉に「内密に」があります。「内密」は、表沙汰にしないこと、内緒にすることを意味します。(kotobank.jp)
「内々で」は、限られた関係者の中で扱うニュアンスがあります。一方で「内密に」は、より秘密性が強く、外に漏らさないでほしいという意味合いが濃くなります。
たとえば、社内で新サービス案を検討するなら「内々で進める」が自然です。退職予定者や人事情報など、漏れると大きな問題になる話なら「内密にお願いします」のほうが強く伝わります。
実務では、軽く扱いたいなら「内々で」、漏洩防止を強く伝えたいなら「内密に」と使い分けるとよいでしょう。
「内々で」と「非公式に」の違い
「非公式に」は、正式な発表や決定ではない状態を指します。ビジネスでは「まだ会社としての正式見解ではありません」という意味を含みます。
「内々で」は共有範囲に重点があります。誰に知らせるか、どこまで広げるかという話です。一方で「非公式に」は、立場や決定状態に重点があります。
たとえば、「非公式に確認しています」は、正式ルートではない確認という意味です。「内々で確認しています」は、限られた関係者だけで確認しているという意味になります。
似ていますが、焦点が違います。メールで使うなら、「本件は正式決定前のため、まずは関係者内での確認に留めていただけますと幸いです」のように書くと、かなり安全です。
ビジネスで「内々で」を使う場面

「内々で」は、社内調整や取引先との事前相談でよく使われます。ただし、使う場面を間違えると、隠し事をしているように見えることもあります。
たとえば、価格改定を検討している段階で、営業担当だけに先に共有する。これは内々の共有として自然です。でも、すでに顧客へ影響が出るとわかっているのに、説明を先延ばしにするために「内々で」と言うと、後から不信感につながります。
内々で扱う目的は、情報を隠すことではありません。正式な判断や発表の前に、混乱を防ぎながら準備することです。
正式発表前の情報を共有するとき
人事異動、組織変更、新サービス、料金改定などは、正式発表前に関係者だけで準備することがあります。
たとえば、来月からサービス料金を変える予定があり、営業資料やFAQを先に整える必要がある。この段階では、全社員や顧客に知らせる前に、営業、カスタマーサポート、経理など限られた部署で内々に確認します。
このときは、「本件は正式発表前のため、現時点では関係部署内での共有に留めてください」と書くと明確です。
単に「内々でお願いします」だけだと、関係部署とはどこまでなのかが曖昧になります。実務では、共有してよい範囲を具体的に書きましょう。
取引先と事前相談をするとき
取引先との間でも、正式な提案前に相談したい場面があります。
たとえば、契約条件の変更案、共同企画の方向性、予算感、納期調整などです。まだ社内決裁が下りていない段階で、相手の感触を見たい場合、「内々にご相談させてください」と書くことがあります。
ただし、社外向けに「内々で」と言うと、少しくだけた印象になることもあります。取引先には「正式なご提案前の事前相談として」や「現時点では関係者限りで」などに言い換えると丁寧です。
メールでは、相手に秘密保持を押し付ける形にならないよう注意しましょう。「差し支えなければ、現時点では貴社内の関係者様限りでご確認いただけますと幸いです」のように書くと柔らかく伝わります。
社内で検討段階の話を進めるとき
社内では、「この話はまだ内々で」という表現がよく使われます。
たとえば、採用方針の変更、新規事業の検討、部署統合の可能性、担当変更の案などです。まだ決定していない話が広まると、現場が混乱します。だから、先に関係者だけで確認します。
ただし、社内でも「内々で」と言えば何でも許されるわけではありません。関係者に知らせるべき情報を止めすぎると、後から「聞いていなかった」という不満が出ます。
社内で使うなら、「現時点では部長以上での共有に留めます」「今週中はプロジェクトメンバー内で確認します」のように、範囲と期限を決めると実務的です。
「内々で」をメールで使うときは共有範囲まで書く

メールで「内々でお願いします」とだけ書くのは危険です。意味は伝わりますが、具体性が足りません。
相手は、「誰までなら共有してよいのか」「資料として残していいのか」「会議で話してよいのか」「いつ公開されるのか」を判断できないからです。ここが曖昧なままだと、悪気のない情報漏れが起きます。
たとえば、上司にだけ共有したつもりの情報が、上司から部署全体に転送される。取引先の担当者にだけ相談したつもりが、相手社内の別部署まで広がる。こういうことは、実務では普通に起きます。
共有してよい相手を明記する
内々の情報をメールで送るときは、共有範囲を書きます。
「本件は正式決定前のため、現時点では〇〇部内での共有に留めてください」
「本資料は、貴社ご担当者様および関係部署の方のみでご確認ください」
「現時点では、役員確認前の草案のため、プロジェクトメンバー外への共有はお控えください」
このように書くと、相手が迷いません。
「内々で」という一言に頼るより、具体的な行動に落とすほうが安全です。ビジネスメールでは、曖昧な言葉を補足する一文が大事になります。
いつまで内々なのかを書く
内々で扱う情報には、期限が必要です。
ずっと内々なのか、正式発表までなのか、社内承認までなのか、会議終了までなのか。期限がないと、相手はいつ公開してよいのかわかりません。
たとえば、次のように書きます。
「本件は〇月〇日の社内発表までは、関係者限りでの共有をお願いいたします。」
これなら、いつまで注意すべきか明確です。
期限が未定の場合は、「正式発表までは」と書くとよいでしょう。日付が決まり次第、改めて共有すれば実務上も管理しやすくなります。
「内々で」の言い換え表現

「内々で」は便利ですが、ビジネスメールでは少し口語的に見えることがあります。特に取引先や目上の人に送るメールでは、文脈に合わせて言い換えるほうが自然です。
言い換えを選ぶときは、「秘密性を強めたいのか」「非公式性を伝えたいのか」「共有範囲を限定したいのか」で考えると迷いません。
なんとなく丁寧そうな言葉を選ぶより、相手に何をしてほしいかで選びましょう。
共有範囲を限定したいときの言い換え
共有範囲を限定したいときは、「関係者限りで」「社内限りで」「貴社内限りで」が使いやすいです。
「本件は、現時点では関係者限りでの共有をお願いいたします。」
「本資料は、貴社内でのご確認に留めていただけますと幸いです。」
「正式発表前の内容を含むため、社外への共有はお控えください。」
このあたりは、メールでも違和感がありません。特に「関係者限り」は、内々よりも具体的で、ビジネス文書に向いています。
非公式であることを伝えたいときの言い換え
正式決定前の相談であれば、「非公式に」「事前相談として」「正式決定前の段階ですが」が使えます。
「正式なご提案前の事前相談として、ご確認いただけますでしょうか。」
「現時点では非公式の情報となりますが、方向性についてご意見をいただけますと幸いです。」
「正式決定前の内容となりますので、取り扱いにはご留意ください。」
このように書くと、まだ確定していない情報だと伝わります。
「内々で進めています」だけでは、非公式なのか秘密なのか共有範囲なのかが曖昧です。正式決定前であることを伝えたいなら、はっきり書いたほうが親切です。
秘密性を強く伝えたいときの言い換え
漏洩リスクが高い情報では、「内々で」よりも「内密に」「機密情報として」「非公開情報として」を使います。
「本件は内密にお取り扱いいただけますようお願いいたします。」
「本資料には非公開情報が含まれるため、関係者以外への共有はお控えください。」
「機密情報を含みますので、転送や複製はお控えいただけますと幸いです。」
ただし、あまり強い表現を使うと相手に緊張感を与えます。人事、契約、未発表情報、顧客情報など、本当に必要な場面だけにしましょう。
「内々で」を使ったビジネスメール例文

ここからは、実際に使える例文を紹介します。
ただし、例文をそのまま貼る前に、必ず「誰まで共有してよいか」「いつまで非公開か」「相手に何をしてほしいか」を自分の案件に合わせて直してください。
操作説明の前に、読者がつまずく状況を入れるならこうです。上司から「これ、まだ内々で」と言われた資料を取引先に送る必要があり、どこまで注意書きを入れるべきか迷って送信画面で止まる。まさにその場面で使える文面です。
社内向けに使う例文
件名:新サービス案に関する事前確認
関係者各位
お疲れさまです。
新サービス案について、現時点のたたき台を共有します。
本件はまだ正式決定前の内容となりますので、現時点ではプロジェクトメンバー内での確認に留めてください。特に料金体系と公開時期については調整中のため、他部署への共有は控えていただけますと幸いです。
ご確認のうえ、〇月〇日までに懸念点や修正案をご返信ください。
この例文では、「内々で」という言葉を使わずに、共有範囲を明確にしています。社内ではこれくらい具体的なほうが実務的です。
単に「内々でお願いします」と書くより、誰に共有してはいけないかがわかります。
取引先への事前相談で使う例文
件名:新企画に関する事前相談
〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇です。
現在、弊社内で検討している新企画について、正式なご提案前の事前相談としてご連絡いたしました。
添付資料はまだ社内承認前の草案となりますため、恐れ入りますが、現時点では貴社内の関係者様限りでご確認いただけますと幸いです。
方向性についてご意見をいただけるようでしたら、来週中に30分ほどお打ち合わせのお時間を頂戴できますでしょうか。
この文面なら、取引先にも失礼になりにくいです。「内々でお願いします」と直接言うより、正式提案前の事前相談であることが伝わります。
相手社内の共有も完全禁止ではなく、「関係者様限り」としているので、実務上も動きやすいです。
人事情報に関する例文
件名:組織体制変更に関する事前共有
〇〇部長
お疲れさまです。
来月以降の組織体制変更案について、現時点の検討内容を共有します。
本件には未発表の人事情報が含まれるため、正式発表までは部長以上での共有に留めてください。対象者本人への伝達時期も調整中のため、個別確認は人事部側で進めます。
ご確認のうえ、〇月〇日までに懸念点があればご連絡ください。
人事情報では「内々で」だけでは弱いです。誰まで共有してよいか、本人へ伝えてよいか、どの部署が対応するかを明確に書く必要があります。
特に人事異動や退職情報は、本人より先に周囲へ伝わると大きな問題になります。慎重すぎるくらいでちょうどよいです。
価格改定の事前共有で使う例文
件名:価格改定案に関する事前確認
営業部各位
お疲れさまです。
現在検討中の価格改定案について、事前確認用の資料を共有します。
正式な改定内容と案内開始時期については、経営会議での承認後に改めて共有します。
価格改定は、内々の段階で顧客に伝わると混乱します。営業担当が善意で先に話してしまうこともあるので、「顧客への案内や口頭説明は控えてください」と具体的に書くことが大切です。
「まだ内々で」だけでは、営業現場で解釈が分かれます。
「内々で」を使うと失礼になるケース

「内々で」は便利ですが、相手や文脈によっては失礼に見えることがあります。特に、目上の相手や取引先に対して命令っぽく使うと注意が必要です。
たとえば、「この件は内々でお願いします」とだけ送ると、相手に対して一方的に秘密保持を求めているように見える場合があります。関係性によっては問題ありませんが、丁寧にしたいならもう少し説明を添えましょう。
ビジネスでは、言葉の意味より、相手がどう受け取るかが重要です。
取引先に秘密保持を押し付けるように見える
社外の相手に「内々で」と伝える場合、相手側にも社内ルールがあります。担当者だけで判断できない内容もあるでしょう。
そのため、「内々でお願いします」ではなく、「現時点では関係者様限りでご確認いただけますと幸いです」と書くほうが丁寧です。
さらに、なぜ限定したいのかも添えると親切です。
「正式発表前の情報を含むため」
「社内承認前の草案であるため」
「公開時期が未定のため」
理由があると、相手も扱い方を理解しやすくなります。
不都合な情報を隠すように見える
「内々で」は、使い方によっては「隠して進めている」印象を与えます。
たとえば、顧客に影響が出る変更を長期間内々に進め、直前にだけ知らせると、不誠実に見えることがあります。特に料金、契約、納期、サービス終了などは、顧客側の準備期間が必要です。
内々に進めるのは、あくまで正式案を整えるためです。公開すべき段階になったら、速やかに説明する必要があります。
実務では、「いつまで内々にするか」を最初に決めておくべきです。期限がない内々の扱いは、後からトラブルになりやすいです。
「内々で」と言われたときの確認方法

自分が「この件は内々で」と言われた側なら、必ず確認したほうがいいことがあります。
なぜなら、「内々で」の範囲は人によって違うからです。ある人は「部署内ならOK」と思っています。別の人は「自分とあなたの間だけ」と思っています。このズレが危険です。
曖昧なまま動くと、悪気がなくても情報漏れになります。
共有範囲を確認する
まず確認するのは、誰まで共有してよいかです。
「承知しました。共有範囲は、〇〇部内までという認識でよろしいでしょうか。」
「本件は、現時点では私と〇〇さんのみで扱う形でしょうか。」
「関係部署への確認が必要になった場合は、事前にご相談したうえで進めます。」
このように聞けば、相手も範囲を明確にできます。
確認することは失礼ではありません。むしろ、内々の情報ほど確認したほうが信頼されます。
メールや資料に残してよいか確認する
内々の話は、記録に残してよいかも確認したほうが安全です。
口頭だけで進めたい話もあれば、関係者確認のためにメールや資料として残す必要がある話もあります。特に人事、契約、価格、提携などは、記録の残し方に注意が必要です。
「メールでは詳細を書かず、打ち合わせ内で確認する形がよろしいでしょうか。」
このように聞くと、扱い方を合わせられます。
内々の情報ほど、雑にチャットへ書くと危険です。チャットは転送もスクショも簡単なので、必要に応じて表現をぼかす、資料閲覧権限を絞るなどの対応をしましょう。
「内々で」のNG例と直し方

ここでは、実務で避けたいNG例を紹介します。
「内々で」は短くて便利ですが、短すぎる表現は誤解を生みます。相手に何をしてほしいのかが伝わらないと、情報管理としては不十分です。
メール送信前、件名も本文もできたのに、最後に「内々でお願いします」とだけ書いている。そこで止まってください。その一文だけでは、足りないことが多いです。
NG例1「内々でお願いします」だけで終わる
悪い例です。
「本件、内々でお願いします。」
これでは、誰まで共有してよいのか不明です。いつまでなのかもわかりません。
直すなら、こうです。
「本件は正式決定前の内容となりますので、〇月〇日の発表まではプロジェクトメンバー内での共有に留めていただけますと幸いです。」
この文なら、理由、期限、共有範囲が明確です。
NG例2「絶対に外に出さないでください」と強すぎる
強すぎる表現も注意が必要です。
「絶対に外に出さないでください。」
社内なら通じることもありますが、取引先に送ると高圧的に見える可能性があります。
直すなら、次のようにします。
「正式発表前の情報を含みますため、関係者以外への共有はお控えいただけますと幸いです。」
かなり印象が変わります。内容は同じでも、相手への配慮が伝わります。
NG例3「内々に決まっています」と断定する
「内々に決まっています」は、少し危険です。
正式決定ではないのか、実質決定なのか、受け取る側が迷います。特に人事や契約では、言葉の扱いが重要です。
直すなら、次のようにします。
「現時点では正式決定前ですが、社内では〇〇の方向で調整が進んでいます。」
これなら、決定状態が明確です。曖昧な断定を避けることで、後からの認識違いを防げます。
社内チャットで「内々で」を使うときの注意点

チャットでは、メールより気軽に「内々で」と書きがちです。でも、チャットこそ注意が必要です。
なぜなら、スレッドの参加者、閲覧権限、転送、スクリーンショットがわかりにくいからです。メールより軽く見える分、情報が広がりやすい面があります。
特にSlack、Teams、Chatworkなどでは、チャンネルの参加者を確認せずに投稿すると、想定より広い範囲に見えてしまうことがあります。
チャンネルではなくDMを使う
内々の情報を扱う場合は、広いチャンネルではなく、必要な相手だけのDMや限定チャンネルを使います。
たとえば、全社チャンネルに「まだ内々ですが」と書くのは矛盾しています。すでに全社に見えているからです。
関係者だけで確認したい場合は、専用の限定チャンネルを作るか、DMで共有しましょう。資料も閲覧権限を絞ります。
チャットは便利ですが、拡散しやすい道具です。内々の情報ほど、送信先を確認してから投稿してください。
スクショされる前提で書く
チャットに書いた内容は、スクショされる可能性があります。
もちろん、相手を疑うという意味ではありません。情報は、思っているより簡単に残ります。だから、内々の話をチャットに書くときは、スクショされても誤解されない表現にします。
たとえば、「Aさん異動決定」ではなく、「Aさんの配置変更案について、正式決定前の確認です」と書くほうが安全です。
言葉の精度が、そのままリスク管理になります。
「内々で」と関係する表現の使い分け表

似た表現が多いので、ここで整理します。
言葉選びに迷ったら、秘密性、公式性、共有範囲のどれを伝えたいかで選ぶとよいです。
| 表現 | 意味 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 内々で | 表立てず限られた範囲で | 社内調整、事前共有 |
| 内密に | 表沙汰にせず秘密に | 人事、契約、未発表情報 |
| 非公式に | 正式ではない形で | 事前相談、草案確認 |
| 関係者限りで | 共有範囲を限定 | 社内外メール全般 |
| 社内限りで | 社外へ出さない | 社内資料、方針共有 |
| 機密情報として | 厳重に扱う | 契約、顧客情報、技術情報 |
| オフレコで | 記録や公開を前提にしない | 口頭相談、打ち合わせ |
この中で、ビジネスメールで最も使いやすいのは「関係者限りで」です。意味が具体的で、相手にも行動が伝わりやすいからです。
「内々で」は会話では便利ですが、メールでは補足が必要です。迷ったら、「関係者限りでの共有をお願いいたします」に置き換えると安全です。
「内々で」を使うときに社内ルールも確認する

内々の情報は、言葉だけで管理するには限界があります。
会社によっては、情報管理ルール、秘密保持契約、社内規程、取引先とのNDAが関係します。NDAとは、秘密保持契約のことです。相手から受け取った情報を勝手に第三者へ開示しないための契約ですね。
ビジネスメールで「内々で」と書く前に、会社としてどう扱うべき情報かを確認することも大切です。
NDAがある情報は「内々で」では足りない
取引先との秘密保持契約がある情報は、「内々でお願いします」では不十分です。
契約上の秘密情報なら、共有範囲、複製可否、保存方法、返却や削除の条件などが決まっている場合があります。メール文面だけで軽く扱うと、契約違反につながる可能性があります。
その場合は、「機密情報」「秘密情報」「契約に基づく取り扱い」など、より明確な表現を使いましょう。
「本資料は、秘密保持契約に基づく秘密情報を含みます。契約で定められた範囲外への共有、複製、転送はお控えください。」
このくらい書くべき場面もあります。
社内資料には閲覧権限を設定する
内々の資料を送る場合、メール本文だけでなく、ファイルの権限も確認します。
Google Drive、OneDrive、Dropboxなどで資料を共有する場合、「リンクを知っている全員が閲覧可」になっていると危険です。せっかく本文で「内々で」と書いても、リンクが広く見られる状態なら意味がありません。
共有前に、閲覧者を指定します。必要ならダウンロード不可、コピー不可の設定も検討します。
内々の情報は、言葉と権限設定をセットで管理する。これが実務ではかなり大事です。
まとめ|「内々で」は便利だが共有範囲と期限まで書いて初めて伝わる

「内々で」とは、表立てずに、限られた関係者だけで扱うという意味です。正式発表前の情報、社内調整中の話、取引先への事前相談、人事や価格改定など、広く共有する前に慎重に扱いたい場面で使われます。
ただし、ビジネスメールで「内々でお願いします」だけでは不十分です。誰まで共有してよいのか、いつまで非公開なのか、資料として残してよいのかが曖昧になります。実務では、「正式発表前のため」「関係者限りで」「〇月〇日までは」など、理由、範囲、期限をセットで書きましょう。
言い換えるなら、社内外で使いやすいのは「関係者限りで」「正式決定前のため」「非公式の事前相談として」「社内限りで」です。秘密性が強い情報なら「内密に」「機密情報として」「非公開情報として」を使います。言葉の強さは、情報の重要度に合わせることが大切です。
「内々で」は、隠すための言葉ではありません。混乱を避け、正式な判断や発表に向けて準備するための言葉です。だからこそ、使う側は相手が迷わないように、具体的な扱い方まで書く必要があります。
参考記事:















