コンプライアンスを遵守する個人目標の例文集!社員ができる遵守の取り組みと書き方のコツ

人事評価や目標設定シートで「コンプライアンスを意識した個人目標を書いてください」と言われると、急に手が止まりますよね。売上目標や業務改善目標なら書けるのに、コンプライアンスとなると「法令を守る」「ルールを守る」くらいしか浮かばない。提出前に評価シートを開いたまま、同じような文章を何度も書き直す人はかなり多いはずです。

コンプライアンスとは、単に法律を守ることだけではありません。社内規程、情報管理、ハラスメント防止、取引ルール、報告・相談、個人情報の扱い、勤怠、経費処理など、仕事の中で守るべき約束全体を指します。だから個人目標も、「コンプライアンスを遵守する」だけでは弱く、日々の業務で何をどう行動するのかまで書く必要があります。

結論から言うと、良い個人目標は「守ります」ではなく「確認します」「記録します」「相談します」「共有します」「期限内に受講します」のように、行動で書きます。この記事では、職種別・場面別にそのまま使える例文と、評価シートで薄く見えない書き方を実務目線でまとめます。

目次

コンプライアンスを遵守する個人目標は「守る」ではなく行動で書く

コンプライアンスを遵守する個人目標は「守る」ではなく行動で書く

コンプライアンスの個人目標で一番多い失敗は、「法令や社内ルールを遵守する」とだけ書いて終わることです。意味は正しいのですが、評価者から見ると、何をどう実行するのかが見えません。

たとえば「情報管理を徹底する」と書いても、具体的な行動がなければ評価しにくいですよね。パスワード管理なのか、ファイル共有なのか、個人情報の持ち出しなのか、メール誤送信防止なのか。ここが曖昧だと、目標としては弱くなります。

ロロメディア編集部でも、業務委託先と資料を共有するとき、権限設定を一つ間違えるだけで関係者以外に見えてしまう可能性があります。だから「気をつけます」では足りません。共有前に閲覧権限を確認する、宛先を送信前に見直す、社外共有時は上長確認を入れる。ここまで落とすと目標になります。

個人目標には「対象」「行動」「頻度」を入れる

コンプライアンス目標は、抽象語を行動へ変えると書きやすくなります。ポイントは、対象、行動、頻度を入れることです。

たとえば「情報漏えいを防ぐ」ではなく、「社外送信メールについて、送信前に宛先・添付ファイル・共有権限を確認し、誤送信を防止する」と書きます。これなら、実際に何をするのかがわかります。

使いやすい型は次の通りです。

・対象:何について守るのか
・行動:具体的に何をするのか
・頻度:いつ、どのくらい実施するのか
・目的:どんなリスクを防ぐのか

この4つを入れると、コンプライアンス目標が急に実務っぽくなります。評価者も「行動に移せる目標だ」と判断しやすくなります。

「遵守する」は最後に置くと文章が締まる

「遵守する」という言葉は使って構いません。ただし、最初からそれだけで終わるのではなく、具体的な行動を書いたあとに置くと自然です。

たとえば、「社内規程を遵守する」だけでは弱いです。これを「経費申請時は領収書・申請目的・承認ルートを確認し、社内規程を遵守した申請を行う」とすれば、かなり評価シート向きになります。

コンプライアンスは、気持ちの問題ではなく、行動の設計です。だから、目標文にも行動が必要になります。

コンプライアンスを遵守する個人目標の基本例文

コンプライアンスを遵守する個人目標の基本例文

まずは、職種を問わず使いやすい基本例文から見ていきます。人事評価シートや半期目標にそのまま入れやすい表現です。

ただし、そのまま貼るだけでは少し弱い場合があります。自分の業務内容に合わせて、メール、顧客情報、経費、契約、勤怠、資料管理などに置き換えてください。

提出直前に焦って「コンプライアンス意識を高める」と書くより、今の仕事で実際に起きそうなリスクを一つ選んで書いたほうが通ります。

全社員向けの個人目標例文

社内規程および業務ルールを確認し、日々の業務において適切な手順で対応する。特に、情報共有、経費申請、勤怠入力については、提出前に内容を確認し、誤りや不備のない運用を徹底する。

個人情報や社内機密情報を取り扱う際は、共有範囲、保存場所、送信先を確認し、情報漏えい防止に努める。社外共有が必要な場合は、事前に上長または関係部署へ確認し、適切な手順で対応する。

コンプライアンス研修を期限内に受講し、理解した内容を日々の業務に反映する。不明点や判断に迷う事案が発生した場合は、自己判断で進めず、上長へ速やかに相談する。

これらの例文は、どの部署でも比較的使いやすい内容です。評価シートに入れる場合は、「どの業務で実行するか」を一つ足すと、さらに具体的になります。

評価されやすい書き方に直した例文

弱い目標文は、「意識する」「心がける」「徹底する」だけで終わります。評価されやすい目標文は、確認ポイントと行動が入っています。

たとえば、弱い例は「コンプライアンス意識を高め、ルールを守る」です。これを直すなら、「社外送信メールは送信前に宛先・添付ファイル・本文内の個人情報を確認し、月内の誤送信ゼロを目指す」とします。

この違いは大きいです。前者は気持ち、後者は行動です。評価シートでは、行動に落ちている目標のほうが、本人も上司も振り返りやすくなります。

情報管理に関するコンプライアンス個人目標の例文

情報管理に関するコンプライアンス個人目標の例文

情報管理は、ほとんどの職種で使いやすいテーマです。個人情報、顧客情報、社内資料、契約書、見積書、広告アカウント、ログイン情報など、扱う情報は仕事の中にたくさんあります。

特に個人情報を扱う企業では、従業員の教育や安全管理が重要です。個人情報保護委員会も、個人情報保護に関する研修資料を公開しており、取得、保管、管理、漏えい対応などのルールを整理しています。

情報管理の目標では、「漏えいを防ぐ」だけでなく、具体的に何を確認するかを書くのがコツです。メール、クラウド、紙資料、USB、チャット、権限設定など、自分の業務に近いものを選びましょう。

メール誤送信防止の個人目標例文

顧客情報や社内資料をメールで送信する際は、送信前に宛先、CC・BCC、添付ファイル、本文内の個人情報を確認する。特に社外宛メールについては、送信前に一度下書き状態で見直し、誤送信や添付漏れの防止に努める。

この目標は、事務職、営業職、カスタマーサポート、管理部門で使いやすいです。メール誤送信は、たった1件でも信用に影響します。だから「気をつける」ではなく、送信前の確認項目として書くことが大切です。

実務では、急いでいるときほどミスが起きます。午前中の会議前に資料を送ろうとして、別会社のファイルを添付する。提出直前にこうしたミスが起きると、リカバリーに時間がかかります。目標には、忙しいときにも実行できる確認動作を入れましょう。

クラウド共有の個人目標例文

クラウドストレージで資料を共有する際は、共有先、閲覧権限、編集権限、リンク公開範囲を確認し、関係者以外がアクセスできない状態で運用する。社外共有が必要な場合は、共有前に上長または関係者へ確認を行い、機密情報の漏えい防止を徹底する。

クラウド共有は便利ですが、権限設定を間違えるとリスクが大きくなります。特に「リンクを知っている全員が閲覧可」のような設定は、業務資料では慎重に扱うべきです。

この目標は、Webマーケティング、制作、営業、管理部門などに向いています。ファイル共有が多い職場なら、かなり実務的な目標になります。

ハラスメント防止に関するコンプライアンス個人目標の例文

ハラスメント防止に関するコンプライアンス個人目標の例文

ハラスメント防止は、管理職だけのテーマではありません。社員一人ひとりの言動が職場環境に影響するからです。

ただし、個人目標として書くときに「ハラスメントをしない」とだけ書くと、少し幼く見えます。実務では、言葉遣い、指導時の伝え方、相談しやすい雰囲気づくり、相手の立場に配慮したコミュニケーションまで落とし込む必要があります。

部下への注意、同僚への依頼、チャットでの返信。忙しいときほど、言い方が強くなることがありますよね。ハラスメント防止の目標では、そうした日常の場面を具体化すると書きやすくなります。

一般社員向けのハラスメント防止目標例文

日々のコミュニケーションにおいて、相手の立場や受け取り方に配慮した言葉遣いを心がける。業務上の指摘や依頼を行う際は、人格ではなく行動や事実に基づいて伝え、心理的に安全な職場づくりに貢献する。

この例文は、社内コミュニケーション全般に使えます。ポイントは、「優しくする」ではなく、「人格ではなく行動や事実に基づいて伝える」と書いていることです。

実務では、注意が必要な場面ほど言葉が荒くなります。ミスが起きたときに「なんでできないの」と言うのではなく、「今回の手順では確認工程が抜けていました」と伝える。こうした行動がコンプライアンスにつながります。

管理職向けのハラスメント防止目標例文

部下への業務指導において、指示内容、期待する成果、期限を明確に伝え、感情的な叱責や一方的な指導にならないよう注意する。面談や日常の声かけを通じて、相談しやすい環境をつくり、ハラスメントの未然防止に取り組む。

管理職の場合は、指導とハラスメントの線引きが重要です。必要な指導を避けるのではなく、事実と期待値を明確にして伝えることが大切になります。

目標には、面談、声かけ、指示の明確化など、管理職として実行できる行動を入れましょう。これなら「ハラスメント防止を意識する」より評価しやすくなります。

経費・勤怠・申請業務に関するコンプライアンス個人目標の例文

経費・勤怠・申請業務に関するコンプライアンス個人目標の例文

経費、勤怠、申請業務は、身近ですがコンプライアンス上とても重要です。小さな不備でも、積み重なると社内統制や信頼に関わります。

たとえば、経費の目的を曖昧に書く、領収書を後からまとめて探す、勤怠入力を月末にまとめる。忙しい職場では起きがちですが、これもルール違反や不正の温床になりかねません。

個人目標では、正確な申請と期限内対応を入れると書きやすいです。管理部門でなくても、全社員が自分の行動として取り組めます。

経費申請の個人目標例文

経費申請を行う際は、利用目的、金額、領収書、申請期限を確認し、社内規程に沿った正確な申請を行う。判断に迷う支出については自己判断で処理せず、事前に上長または管理部門へ確認する。

この目標はかなり実務的です。経費申請では、「少額だから大丈夫」と思ってしまう場面があります。でも、少額でもルール外の処理が積み重なると、管理上の問題になります。

評価シートに書くなら、自分の業務に合わせて「出張費」「交通費」「接待交際費」「備品購入」などを入れるとさらに具体的です。

勤怠管理の個人目標例文

出退勤、休憩、残業、休暇申請について、実態に基づいた正確な勤怠入力を行う。勤務時間に変更が生じた場合は、当日中に申請または上長への報告を行い、勤怠管理ルールの遵守を徹底する。

勤怠は、社員個人の責任だけでなく、会社全体の労務管理にも関わります。だから、個人目標として書く価値があります。

「遅刻しない」「残業しない」だけではなく、実態に基づいて正確に記録することが重要です。特にリモートワークやフレックス勤務では、記録の正確性が大切になります。

営業職が使えるコンプライアンス個人目標の例文

営業職が使えるコンプライアンス個人目標の例文

営業職は、顧客対応、契約、見積もり、提案資料、個人情報、接待、広告表示など、コンプライアンスに触れる場面が多い職種です。数字目標に意識が向きやすいからこそ、ルールを守る個人目標が大事になります。

営業のコンプライアンス目標では、「無理な約束をしない」「契約条件を正確に伝える」「顧客情報を適切に扱う」「接待や贈答のルールを守る」などが使いやすいです。

月末の受注前、顧客から急ぎで条件確認を求められる。ここで曖昧な返答をすると、後から契約トラブルになることがあります。営業職の目標は、現場の判断ミスを防ぐ内容にしましょう。

契約・提案時の個人目標例文

顧客への提案や契約条件の説明において、サービス内容、料金、納期、対応範囲を正確に伝える。曖昧な条件や未確定事項については、その場で断定せず、社内確認を行ったうえで正式に回答する。

この目標は営業職にかなり向いています。売上を追う場面では、つい前向きな表現をしたくなります。でも、できないことをできるように伝えると、後から信頼を失います。

「その場で断定しない」という行動を入れることで、実務に落ちた目標になります。営業評価でも、コンプライアンス意識が伝わりやすい表現です。

顧客情報管理の個人目標例文

顧客情報を取り扱う際は、CRMや社内共有フォルダの入力・保存ルールを遵守し、関係者以外へ情報が共有されないよう管理する。名刺情報や商談メモについても、個人情報として取り扱い、紛失や誤共有の防止に努める。

営業職は、名刺、商談メモ、メール履歴、提案資料など、顧客情報に触れる機会が多いです。だからこそ、個人情報保護や情報管理の目標が書きやすい職種です。

この例文は、CRMを使っている会社ならそのまま調整して使えます。紙の名刺管理が多い職場なら、「名刺の保管・廃棄ルール」を入れるとさらに具体的です。

事務職・管理部門が使えるコンプライアンス個人目標の例文

事務職・管理部門が使えるコンプライアンス個人目標の例文

事務職や管理部門は、正確な処理と情報管理が中心になります。給与、請求、契約書、採用情報、個人情報、社内規程など、扱う情報の重要度が高いことも多いです。

この職種では、ミスを防ぐ仕組み、ダブルチェック、期限管理、記録の残し方を目標に入れると実務的です。

たとえば、請求書の金額を一桁間違えると、顧客対応や再発行が必要になります。採用情報を別部署に誤送信すれば、信頼問題になります。事務職のコンプライアンスは、日々の正確性そのものです。

請求・契約管理の個人目標例文

請求書、契約書、申請書類を取り扱う際は、金額、日付、宛名、契約条件、承認状況を確認し、誤処理や不備の発生を防止する。重要書類については、提出前にチェックリストを用いて確認し、正確な事務処理を行う。

この目標では、具体的な確認項目が入っています。評価者から見ても、実行内容がわかりやすいです。

事務職では、「正確に処理する」だけでは抽象的です。何を確認するのかを書くだけで、目標の質が上がります。

個人情報管理の個人目標例文

従業員情報、顧客情報、採用応募者情報などの個人情報を取り扱う際は、保存場所、閲覧権限、送信先を確認し、必要最小限の範囲で管理する。不要となった資料は社内ルールに沿って適切に削除または廃棄する。

管理部門は、個人情報に触れる機会が多い職種です。個人情報保護委員会の研修資料でも、保管・管理や漏えい対応、従事者の義務が整理されており、日常業務での管理が重要になります。

この目標は、人事、総務、経理、カスタマーサポートなどで使いやすいです。個人情報を扱う業務なら、かなり説得力があります。

IT・Web担当者が使えるコンプライアンス個人目標の例文

IT・Web担当者が使えるコンプライアンス個人目標の例文

IT・Web担当者は、アカウント管理、アクセス権限、セキュリティ、広告表現、個人情報、ログ管理などが関係します。技術職だからこそ、コンプライアンス目標はかなり具体化できます。

ロロントのようにWeb広告やSEOを扱う仕事では、広告アカウント、分析ツール、CMS、顧客サイトへのログイン情報を扱います。ここで権限設定やパスワード管理を誤ると、業務影響が大きくなります。

IT・Web担当者の目標は、「アクセス権限」「情報持ち出し」「広告表現」「ログイン管理」のどれかに絞ると書きやすいです。

アクセス権限管理の個人目標例文

業務で使用するクラウドツール、広告アカウント、CMS、分析ツールについて、担当範囲に応じた適切なアクセス権限を設定する。担当変更や退職・契約終了が発生した場合は、速やかに権限の見直しを行い、不正アクセスや情報漏えいの防止に努める。

これはWeb担当者やマーケティング担当者にかなり使いやすい目標です。アクセス権限は、付与するときより外すときに漏れがちです。

実務では、外部パートナーに一時的に権限を渡したまま忘れることがあります。契約終了後もアクセスできる状態が残るのはリスクです。目標に「担当変更や契約終了時の見直し」を入れると、実務レベルになります。

広告・コンテンツ表現の個人目標例文

広告文、LP、記事コンテンツを作成・確認する際は、誇大表現、根拠不明な表現、法令や媒体規定に抵触する表現がないか確認する。公開前にはチェックリストを用いて表現を見直し、ユーザーに誤解を与えない情報発信を行う。

Webマーケティングでは、コンプライアンスは情報管理だけではありません。広告表現や記事表現も重要です。

「絶対に効果が出る」「必ず改善する」「最安値」など、根拠が曖昧な表現はリスクになります。Web担当者の目標には、公開前確認やチェックリスト運用を入れると評価しやすくなります。

管理職が使えるコンプライアンス個人目標の例文

管理職が使えるコンプライアンス個人目標の例文

管理職のコンプライアンス目標は、自分が守るだけでは足りません。チームが守れる状態を作ることまで含める必要があります。

部下がルールを知らない、相談しにくい、忙しすぎて確認できない。こうした環境では、個人の注意だけでは事故を防げません。管理職の目標は、仕組み、教育、相談体制、チェック体制に落とし込むと強くなります。

公益通報者保護制度では、従業員数301人以上の企業等に内部通報制度の整備が義務付けられていると政府広報オンラインでも説明されています。 管理職は、こうした制度を現場で機能させるためにも、相談しやすい空気づくりが重要です。

チーム内のルール浸透に関する個人目標例文

チーム内でコンプライアンスに関する社内ルールを定期的に共有し、業務上の判断に迷う場面では早期に相談できる環境を整える。月1回のチームミーティングで情報管理、勤怠、ハラスメント防止に関する注意点を確認し、違反リスクの未然防止に取り組む。

管理職の目標としては、かなり具体的です。月1回という頻度が入っているため、振り返りもしやすくなります。

「コンプライアンス意識を高める」ではなく、「月1回共有する」「相談できる環境を整える」と書くことで、管理職の行動になります。

部下の相談対応に関する個人目標例文

部下がコンプライアンス上の不安や判断に迷う事案を抱えた際に、早期に相談できるよう日常的な声かけを行う。相談を受けた場合は内容を整理し、必要に応じて関係部署へ確認したうえで、適切な対応につなげる。

この目標は、内部通報や相談体制につながる内容です。公益通報者保護制度は、法令違反の発生や被害を防ぐため、公益のために通報した労働者への不利益取扱いを禁止する制度として説明されています。

管理職が「相談しやすい状態」を作ることは、職場のコンプライアンスに直結します。部下が言い出せない環境こそ、リスクが大きくなります。

コンプライアンス個人目標を評価シートに書くときのコツ

コンプライアンス個人目標を評価シートに書くときのコツ

コンプライアンス目標を書くときは、きれいな言葉より、評価できる内容にすることが大切です。上司が見たときに、「この人は何をやるのか」がわかる文章にします。

避けたいのは、「意識する」「徹底する」「努める」だけで終わる文章です。これらの言葉は使ってもよいですが、具体的な行動とセットで使わないと弱くなります。

評価シートで通りやすい文章にするには、業務場面を先に決めましょう。メール、契約、経費、勤怠、顧客情報、広告表現、チーム指導。どの場面でコンプライアンスを守るのかを決めると、文章が一気に書きやすくなります。

数値化できるものは数値化する

コンプライアンス目標は数値化しにくいと思われがちですが、実は数値化できる部分もあります。研修受講率、提出期限、チェック回数、月次確認、誤送信ゼロなどです。

たとえば、「コンプライアンス研修を受講する」より、「指定されたコンプライアンス研修を期限内に100%受講し、理解度テストを完了する」のほうが具体的です。

ただし、すべてを数値にする必要はありません。数値化しにくいものは、行動や頻度で具体化します。「月1回確認する」「送信前に確認する」「判断に迷う場合は当日中に相談する」といった形です。

会社の重点テーマに合わせる

会社がその期に重視しているテーマに合わせると、個人目標として通りやすくなります。たとえば、情報セキュリティ強化、ハラスメント防止、広告表現チェック、個人情報管理、内部通報制度の周知などです。

会社の研修資料や社内通達を見て、よく出てくる言葉を拾ってください。そこに自分の業務を結びつけると、評価シートの納得感が上がります。

たとえば、会社が情報管理を重視しているなら、「顧客情報の共有権限確認」を目標にする。ハラスメント防止を重視しているなら、「指導時の言葉遣いと相談しやすい環境づくり」を目標にする。会社方針と個人行動がつながると、目標として強くなります。

書いてはいけないコンプライアンス個人目標の例

書いてはいけないコンプライアンス個人目標の例

コンプライアンス目標で避けたいのは、抽象的すぎる文章です。抽象的な目標は、本人も上司も振り返りができません。

たとえば「コンプライアンスを意識して仕事をする」は、悪くはないですが弱いです。評価者から見ると、何をしたら達成なのかがわかりません。

また、「違反しないようにする」だけの目標もおすすめしません。最低限の義務を書いているだけに見え、前向きな取り組みとして評価されにくいからです。

抽象的すぎるNG例

次のような目標は、提出前に直したほうがよいです。

・コンプライアンスを意識する
・法令を守る
・社内ルールを徹底する
・不正をしないようにする
・個人情報に気をつける

これらは方向性としては正しいですが、行動が見えません。目標として書くなら、「何を」「いつ」「どう確認するか」まで入れましょう。

たとえば「個人情報に気をつける」は、「顧客情報を社外へ送信する際は、宛先・添付ファイル・共有権限を送信前に確認し、誤送信防止に取り組む」と直せます。

達成確認ができない目標は弱い

「意識を高める」「理解を深める」も、単体では達成確認が難しい表現です。もちろん、研修や学習目標として使えますが、行動とセットにする必要があります。

たとえば、「コンプライアンス理解を深める」なら、「コンプライアンス研修を期限内に受講し、業務で関係するルールを確認したうえで、不明点を上長に相談する」と書き換えます。

目標は、半年後に振り返れる形で書くのがコツです。「やったかどうか」「改善したかどうか」が見える文章にしましょう。

コンプライアンス遵守の取り組みを日常業務に落とし込む方法

コンプライアンス遵守の取り組みを日常業務に落とし込む方法

コンプライアンスは、研修の日だけ意識するものではありません。毎日の業務の中で、小さな確認として組み込むことが大切です。

難しく考える必要はありません。メール送信前に宛先を見る。資料共有前に権限を見る。経費申請前に目的を書く。部下へ注意するときに事実で伝える。これらは全部、コンプライアンスの取り組みです。

つまり、個人目標は大げさなものにしなくていいんです。日常の中で本当にできる行動にしたほうが、継続できます。

チェックリスト化すると行動にしやすい

コンプライアンス目標を実行するには、チェックリスト化が有効です。毎回気合いで確認するより、見る項目を決めておくほうがミスを防げます。

たとえば、社外送信前チェックなら、宛先、添付、本文、共有権限、機密情報の有無です。経費申請なら、領収書、利用目的、金額、日付、承認ルートです。

チェックリストは細かすぎると使われません。自分がミスしやすい項目を3つから5つに絞るのが現実的です。

迷ったら早めに相談するルールを作る

コンプライアンス違反は、最初から悪意があるケースばかりではありません。「これくらい大丈夫だと思った」「急いでいて確認しなかった」「誰に聞けばいいかわからなかった」という場面から起きることもあります。

だから、個人目標にも「迷ったら相談する」を入れる価値があります。特に、契約、個人情報、広告表現、経費、ハラスメント、社外共有に関わる判断は、自己判断で進めないほうが安全です。

目標文にするなら、「判断に迷う事案は当日中に上長または関係部署へ相談し、自己判断による不適切な対応を防止する」と書けます。これなら、行動として具体的です。

まとめ:コンプライアンス個人目標は自分の業務で起きるリスクから逆算する

まとめ:コンプライアンス個人目標は自分の業務で起きるリスクから逆算する

コンプライアンスを遵守する個人目標は、「法令を守る」「ルールを守る」だけでは弱くなります。評価シートに書くなら、自分の業務で起きやすいリスクを選び、具体的な行動に落とすことが大切です。

情報管理なら、宛先確認、共有権限確認、保存場所の確認。経費や勤怠なら、期限内申請、実態に基づく記録、上長確認。営業なら、契約条件の正確な説明、顧客情報管理、曖昧な回答をしないこと。管理職なら、チームへのルール共有、相談しやすい環境づくり、ハラスメント防止の声かけが目標になります。

良い目標には、対象、行動、頻度、目的が入っています。「コンプライアンス意識を高める」ではなく、「社外送信メールは送信前に宛先・添付ファイル・共有権限を確認し、情報漏えいを防止する」と書く。これだけで、目標の実務感が大きく変わります。

コンプライアンスは、特別な部署だけの仕事ではありません。日々のメール、申請、共有、会話、判断の積み重ねです。だからこそ、個人目標は背伸びした言葉ではなく、明日から実行できる行動で書きましょう。

参考記事:

消費者庁:公益通報者保護制度に関する基本的事項Q&A

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