ネットが少し遅い、特定のサイトだけ開くまで時間がかかる、子ども用の端末で危険なサイトを少しでも避けたい。そんなときに出てくるのが、CloudflareのDNS「1.1.1.1」です。
ただ、設定画面に「優先DNS」「代替DNS」と出てきた瞬間に、どの数字を入れればいいのか不安になりますよね。
結論から言うと、通常利用なら「1.1.1.1」と「1.0.0.1」を入れれば十分です。危険サイト対策をしたいなら「1.1.1.2」、子ども用や家庭用で成人向けコンテンツもブロックしたいなら「1.1.1.3」を選びます。Cloudflare公式でも、標準の1.1.1.1はフィルタリングなし、1.1.1.1 for Familiesはマルウェアや成人向けコンテンツのブロックに対応すると案内されています。
ただし、DNSを変えればネットが必ず速くなるわけではありません。サイトの表示速度は回線、Wi-Fi、端末、サイト側の重さにも左右されます。ロロメディア編集部でも、DNS変更で体感が良くなるケースはありましたが、古いWi-Fiルーターや回線混雑が原因の場合は、DNSだけでは改善しませんでした。この記事では、Cloudflare DNSの一覧、用途別のおすすめ設定、デメリット、安全性、設定時の注意点まで実務目線で解説します。
クラウドフレアDNSの一覧と用途別の選び方

通常利用なら1.1.1.1と1.0.0.1を設定する
DNS設定画面を開いたときに、いきなり数字を入れる欄が2つ出てきて手が止まることがあります。間違えるとネットにつながらなくなりそうで、少し怖いですよね。
通常のネット利用でCloudflare DNSを使うなら、優先DNSに「1.1.1.1」、代替DNSに「1.0.0.1」を入れます。これはCloudflareの標準DNSで、コンテンツのブロック機能はありません。公式ドキュメントでも、1.1.1.1はフィルタリングなしの高速でプライベートなDNSとして案内されています。
まずはこの2つを入れれば問題ありません。
| 用途 | 優先DNS | 代替DNS | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 通常利用 | 1.1.1.1 | 1.0.0.1 | フィルタリングなし |
| マルウェア対策 | 1.1.1.2 | 1.0.0.2 | 危険サイトをブロック |
| 家庭・子ども向け | 1.1.1.3 | 1.0.0.3 | 危険サイトと成人向けをブロック |
迷ったら、まずは1.1.1.1と1.0.0.1です。
仕事用PC、個人スマホ、ゲーム機、テレビなど、特に制限をかけたくない端末には標準DNSが向いています。
IPv6を使うなら長いアドレスも設定する
ルーターや端末の設定画面に、IPv4とIPv6の両方が出てくることがあります。IPv4は「1.1.1.1」のような短い数字、IPv6は「2606:4700:4700::1111」のような長い住所だと考えると分かりやすいです。
CloudflareのIPv6アドレスも公式に公開されています。標準DNSなら「2606:4700:4700::1111」と「2606:4700:4700::1001」を使います。
用途別に整理すると、次の通りです。
| 用途 | IPv6優先DNS | IPv6代替DNS |
|---|---|---|
| 通常利用 | 2606:4700:4700::1111 | 2606:4700:4700::1001 |
| マルウェア対策 | 2606:4700:4700::1112 | 2606:4700:4700::1002 |
| 家庭・子ども向け | 2606:4700:4700::1113 | 2606:4700:4700::1003 |
IPv6を使っている環境でIPv4だけ設定すると、端末や通信状況によっては意図したDNSが使われないことがあります。
家庭用ルーターで設定する場合は、IPv4とIPv6の両方を入力できるなら両方設定しておくと安心です。
ただし、設定画面にIPv6欄がない場合は無理に探す必要はありません。まずIPv4だけ設定し、ネットが問題なく使えるか確認してください。
Cloudflare DNS 1.1.1.1とは何か

DNSはサイト名をIPアドレスに変換する仕組み
Cloudflare DNSを理解するには、DNSの役割を押さえる必要があります。専門的に聞こえますが、実際はかなり身近です。
DNSとは、Webサイトの名前をインターネット上の住所に変換する仕組みです。たとえば、ブラウザにサイト名を入力したとき、裏側では「このサイトはどのサーバーにあるのか」をDNSが探しています。電話帳のようなもの、と考えると分かりやすいでしょう。
このDNSの反応が遅いと、サイトを開くまでの最初の一瞬がもたつきます。
ページの画像や動画が重い場合とは別で、アクセス先を探す段階で時間がかかるイメージです。
Cloudflareの1.1.1.1は、このDNS問い合わせを処理するパブリックDNSサービスです。パブリックDNSとは、プロバイダ指定のDNSではなく、ユーザーが自由に設定して使えるDNSのことです。
つまり、1.1.1.1を設定すると、サイト名の問い合わせ先をCloudflareに変えることになります。回線そのものを変えるわけではありません。
1.1.1.1は無料で使えるパブリックDNS
1.1.1.1は無料で使えます。登録も不要で、端末やルーターのDNS設定にIPアドレスを入れるだけです。
Cloudflare公式では、1.1.1.1 for Familiesを含め、端末やルーターのDNS設定を変更することで使えると案内されています。マルウェアブロック用、成人向けコンテンツブロック用は、設定するIPアドレスを変えるだけで選べます。
仕事で使う場合も、個人利用の場合も、基本の考え方は同じです。
ただし、会社のPCや社内ネットワークでは、勝手にDNSを変更しないほうがよいです。社内システムやVPN、業務アプリが会社指定DNSに依存していることがあるためです。
個人スマホや自宅ルーターなら比較的試しやすいですが、業務端末では情報システム部門に確認してから進めましょう。DNSは見えにくい設定ですが、社内ネットワークでは影響範囲が広いことがあります。
用途別におすすめのCloudflare DNS設定

個人利用や仕事用なら標準の1.1.1.1がおすすめ
普段のネット利用で「とにかく変な制限はいらない」「サイトが開けなくなるのは困る」という人は、標準の1.1.1.1を使うのが無難です。フィルタリングなしなので、DNSが原因で見たいサイトがブロックされる可能性が低くなります。
仕事用では特に標準DNSが向いています。資料収集、クラウドツール、取引先サイト、広告管理画面など、業務ではさまざまなサイトへアクセスします。フィルタリング付きDNSにすると、まれに必要なサイトがブロックされる可能性があります。
設定する値は次の通りです。
| 項目 | 入力値 |
|---|---|
| 優先DNS | 1.1.1.1 |
| 代替DNS | 1.0.0.1 |
| IPv6優先DNS | 2606:4700:4700::1111 |
| IPv6代替DNS | 2606:4700:4700::1001 |
ロロメディア編集部のように、Webサイト調査やSEO調査をする場合は、フィルタリングなしのほうが使いやすいです。特定のサイトが見えないと、調査結果そのものがズレることがあるからです。
まずは標準DNSで使ってみて、不安があればマルウェアブロック型に変える。これが実務的な順番です。
危険サイト対策をしたいなら1.1.1.2を使う
怪しいリンクを踏む可能性がある端末、家族共用PC、ネットに不慣れな人が使う端末では、1.1.1.2を検討できます。これはマルウェアやフィッシングなど、危険なコンテンツに関連するドメインをブロックする設定です。
設定する値は次の通りです。
| 項目 | 入力値 |
|---|---|
| 優先DNS | 1.1.1.2 |
| 代替DNS | 1.0.0.2 |
| IPv6優先DNS | 2606:4700:4700::1112 |
| IPv6代替DNS | 2606:4700:4700::1002 |
注意したいのは、1.1.1.2がセキュリティソフトの代わりになるわけではない点です。DNSで危険なドメインをブロックできても、メール添付ファイル、偽アプリ、SNS詐欺、すでに感染した端末の問題までは解決できません。
あくまで「危険サイトにアクセスしにくくする補助策」と考えてください。
会社や家庭で使うなら、OS更新、ブラウザ更新、セキュリティソフト、パスワード管理と合わせて使うのが現実的です。
子ども用や家庭用なら1.1.1.3を検討する
子ども用のタブレットや家庭共用PCでは、成人向けコンテンツもブロックしたい場合があります。そういう端末には、1.1.1.3が向いています。
Cloudflare公式では、1.1.1.3と1.0.0.3を使うことで、マルウェアと成人向けコンテンツの両方をブロックする設定として案内されています。
設定する値は次の通りです。
| 項目 | 入力値 |
|---|---|
| 優先DNS | 1.1.1.3 |
| 代替DNS | 1.0.0.3 |
| IPv6優先DNS | 2606:4700:4700::1113 |
| IPv6代替DNS | 2606:4700:4700::1003 |
ただし、1.1.1.3を設定すれば子ども対策が完全になるわけではありません。DNSブロックは便利ですが、アプリ内コンテンツ、SNS、動画サービス内の表示、検索結果のすべてを細かく管理できるものではありません。
家庭で使うなら、スマホやタブレットのペアレンタルコントロール(子どもの利用を管理する機能)と組み合わせましょう。DNSは入口の対策、端末設定は使い方の対策です。両方を合わせると安全性が上がります。
Cloudflare DNSの設定方法

Windowsで設定する流れ
WindowsでDNSを変えるとき、設定画面の名前が少し難しく感じるかもしれません。ネットワークアダプター、IPv4、プロパティなど、普段触らない言葉が出てくるからです。
操作前に、現在のDNS設定をメモしておくと安心です。あとで戻したくなったときに役立ちます。
Windowsでは、ネットワーク設定から使用中のWi-Fiや有線LANのDNSを変更します。公式のWindows設定ページでも、1.1.1.1はDNS over HTTPSやDNS over TLSなどの暗号化にも対応すると案内されています。
基本の流れは次の通りです。
・設定を開く
・ネットワークとインターネットを開く
・使っているWi-Fiまたはイーサネットを選ぶ
・DNSサーバーの割り当てを編集する
・IPv4をオンにしてDNSを入力する
・必要ならIPv6も入力する
・保存してブラウザを再起動する
入力するなら、通常利用は優先DNSに1.1.1.1、代替DNSに1.0.0.1です。
保存後にサイトが開けない場合は、入力ミスがないか確認してください。特に「1.1.1.1」を「1.1.1」などと打ち間違えると動きません。
iPhoneやAndroidで設定する流れ
スマホでDNSを変えたい場合、Wi-Fiごとに設定する方法と、アプリを使う方法があります。家のWi-Fiだけで使いたいならWi-Fi設定、外出先の通信でも使いたいなら1.1.1.1アプリを検討します。
iPhoneでは、Wi-Fiの詳細設定からDNSを手動に変え、DNSサーバーを追加します。Androidでは機種によって表示が違いますが、Wi-Fi設定やプライベートDNSから変更できます。
スマホでつまずきやすいのは、モバイル通信ではWi-Fi側のDNS設定が効かないことです。自宅Wi-Fiに設定しても、外で4Gや5Gを使うと別のDNSになります。外出先でもCloudflareを使いたいなら、Cloudflareの1.1.1.1アプリやプライベートDNS設定を使う必要があります。
ただし、アプリを入れる場合は、DNSだけでなくWARPという通信保護機能も関係してきます。WARPはVPNのように見えますが、一般的なVPNとは違い、地域制限回避や匿名化を目的としたサービスではありません。レビューでも、WARPは通常のVPNのようなサーバー選択や地域回避には向かないと指摘されています。
スマホでシンプルに試すなら、まず自宅Wi-FiのDNSを変える。問題なければアプリ利用を検討する。この順番がおすすめです。
ルーターに設定すると家中の端末に反映できる
家族全員でCloudflare DNSを使いたいなら、ルーターに設定する方法が効率的です。端末ごとに設定する必要がなく、家のWi-Fiにつながるスマホ、PC、ゲーム機、テレビにまとめて反映できます。
ただし、ルーター設定は少し注意が必要です。間違えると家中の端末でネットが使えなくなることがあります。設定前に、現在のDNS設定を必ずメモしておきましょう。
ルーター設定では、管理画面にログインし、インターネット設定やLAN設定のDNS欄を探します。メーカーによって画面名が違うため、「DNSサーバー」「プライマリDNS」「セカンダリDNS」などの項目を探してください。
家庭で安全寄りにしたいなら、1.1.1.3と1.0.0.3をルーターに設定する選択肢があります。
ただし、家族の中に仕事で必要なサイトへアクセスする人がいる場合、成人向けや安全判定により一部サイトが開けなくなる可能性があります。
家族全体へ適用する前に、まず1台の端末で試すのが安全です。問題がなければルーターに設定すると、トラブルを減らせます。
Cloudflare DNSのメリット

サイト表示前の名前解決が速くなる可能性がある
Cloudflare DNSに変えるメリットとしてよく挙げられるのが速度です。DNSの応答が速くなると、サイトを開く最初の待ち時間が短くなる可能性があります。
ただし、ここは誤解しやすいポイントです。DNSを変えても、動画のダウンロード速度やWi-Fiの電波が強くなるわけではありません。改善するのは主に「サイト名から接続先を探す処理」です。
たとえば、ニュースサイトを開くときに、最初だけ引っかかる感じがある。検索結果からリンクを開くたびに一瞬待たされる。こういう場合はDNS変更で体感が変わることがあります。
一方で、動画が止まる、オンライン会議が途切れる、ゲームのラグが大きいといった問題は、DNS以外が原因のことも多いです。回線速度、Wi-Fi環境、ルーター性能、接続先サーバーの混雑も見ましょう。
無料で危険サイト対策を追加できる
1.1.1.2や1.1.1.3を使うと、無料で一定のフィルタリングを追加できます。専用機器や有料サービスを導入する前に、家庭や小規模オフィスで試しやすいのがメリットです。
1.1.1.2はマルウェア系の危険サイト対策、1.1.1.3はそれに加えて成人向けコンテンツ対策です。Cloudflare公式でも、1.1.1.1 for Familiesはマルウェアや成人向けコンテンツのブロックに対応すると案内されています。
特に、家族共用のWi-Fiや小規模店舗の来客用Wi-Fiでは、DNSレベルのフィルタリングが便利です。端末ごとの設定を細かく管理しなくても、ルーターに設定すればまとめて適用できます。
ただし、DNSフィルタリングは万能ではありません。
本格的な企業セキュリティ、端末管理、子どもの利用時間制限、アプリ制限まで必要なら、別の管理ツールも併用しましょう。
Cloudflare DNSのデメリットと注意点

フィルタリング付きDNSでは必要なサイトが開けないことがある
1.1.1.2や1.1.1.3は便利ですが、仕事や調査で使う端末では注意が必要です。安全判定やカテゴリ判定によって、必要なサイトが開けない可能性があります。
たとえば、広告運用、SEO調査、競合調査、セキュリティ調査をしている人は、一般的にはアクセスしないサイトや海外サイトを見ることがあります。フィルタリング付きDNSを使うと、調査対象のサイトがブロックされ、正しい確認ができないかもしれません。
この場合は、標準の1.1.1.1を使うほうが無難です。
子ども用端末や家庭共用端末は1.1.1.3、仕事用端末は1.1.1.1というように、用途で分けるとトラブルが少なくなります。
ブロックされると、ブラウザ側では「サイトにアクセスできません」「DNS_PROBE_FINISHED」などのエラーに見えることがあります。
そのときは、サイト側の障害ではなくDNSフィルタリングが原因の可能性も考えてください。
DNSを変えても完全な匿名化やVPN代わりにはならない
Cloudflare DNSを使うと、プライバシーが強化されるイメージがあります。たしかに、Cloudflareは1.1.1.1のプライバシー方針を公開しており、1.1.1.1 resolverでは個人情報をログしないこと、限定的な非個人の問い合わせデータの多くは25時間だけ保存されることを説明しています。
ただし、DNSを変えただけで匿名になるわけではありません。アクセス先のWebサイトには、あなたのIPアドレスやブラウザ情報が見える場合があります。会社や学校のネットワークでは、別の監視や制限があることもあります。
また、WARPアプリを使っても、一般的なVPNのように国を選んで接続したり、地域制限を回避したりする目的には向きません。WARPは通信保護や経路改善を目的とするサービスとして考えたほうがよいです。
「DNS変更=完全なプライバシー対策」と考えるのは危険です。
DNSはあくまで問い合わせ先を変える設定であり、必要に応じてブラウザ設定、VPN、端末セキュリティも合わせて考えましょう。
社内ネットワークでは業務システムに影響することがある
会社のPCでCloudflare DNSを設定したら、社内システムや共有フォルダ、VPN内の管理画面につながらなくなることがあります。これは、社内専用の名前解決が会社のDNSに依存しているためです。
たとえば、社内ポータル、勤怠システム、ファイルサーバー、開発環境などは、外部DNSでは見つからない名前を使っている場合があります。Cloudflare DNSへ変えると、その名前を解決できずアクセスできなくなることがあります。
会社端末で勝手にDNSを変更するのは避けましょう。
特に、情報システム部門が管理しているPC、MDM管理されたスマホ、VPN利用端末では、必ず社内ルールを確認してください。
個人利用では便利な設定でも、業務環境では事故につながることがあります。
仕事で使うなら「自分の端末だから大丈夫」と判断せず、会社のネットワーク設計に従うのが安全です。
Cloudflare DNSの安全性はどう考えるべきか

公式情報ではプライバシー保護を重視している
Cloudflareの1.1.1.1は、プライバシーを重視したDNSとして紹介されています。Cloudflareのプライバシーポリシーでは、1.1.1.1 resolverが個人情報をログしないこと、限定的なDNS問い合わせデータの多くは25時間だけ保存されることが説明されています。
また、Cloudflareは1.1.1.1の公開DNSリゾルバーに関するプライバシーコミットメントとして、限定的なログを25時間以内に削除する旨も説明しています。
この点だけを見ると、プロバイダ標準DNSより安心だと感じる人もいるでしょう。
ただし、どのDNSを使っても、問い合わせ先の事業者に一定の信頼を置く必要があります。DNSは、どのサイトを見ようとしたかに関わる情報を扱うためです。
安全性を考えるなら、公式情報が明確か、プライバシーポリシーが公開されているか、設定を戻せるかを見てください。Cloudflare DNSは情報が整理されており、個人でも確認しやすい点はメリットです。
暗号化DNSを使うと盗み見対策を強化できる
通常のDNS問い合わせは、通信経路上で見られる可能性があります。そこで出てくるのが、DNS over HTTPSやDNS over TLSです。これはDNS問い合わせを暗号化する仕組みです。
Cloudflare公式でも、1.1.1.1はDNS over HTTPSとDNS over TLSに対応しており、DNS問い合わせを暗号化して盗み見や改ざんを防ぐ目的で使えると案内されています。
ただし、暗号化DNSを使うには、端末やブラウザ、OSが対応している必要があります。単に1.1.1.1をIPv4欄に入れるだけでは、すべての環境で暗号化DNSになるわけではありません。
自宅利用なら、まず通常のDNS設定で問題なく使えるか確認し、その後にブラウザやOSのセキュアDNS設定を見直すのが現実的です。
いきなり複雑な設定にすると、トラブル時に原因が分かりにくくなります。
Cloudflare DNSと他のDNSの違い

Google Public DNSとの違い
Cloudflare DNSと比較されやすいのが、Google Public DNSです。Googleの場合は「8.8.8.8」と「8.8.4.4」が有名です。
どちらも無料で使えるパブリックDNSですが、選び方は目的で変わります。Cloudflareは1.1.1.1のプライバシー訴求やFamiliesによるフィルタリングが分かりやすい一方、Google Public DNSは長年使われている知名度の高い選択肢です。
家庭や個人で迷うなら、Cloudflareのほうが用途別に選びやすいです。
通常利用は1.1.1.1、マルウェア対策は1.1.1.2、家庭向けは1.1.1.3と覚えやすいからです。
一方で、すでにGoogle DNSで安定している環境なら、無理に変える必要はありません。DNSは「速そうだから変える」より、「今の環境で不満があるから試す」くらいの温度感がちょうどよいです。
プロバイダ標準DNSとの違い
多くの人は、契約しているプロバイダが自動で指定するDNSを使っています。何も設定していなければ、基本的にはこの状態です。
プロバイダ標準DNSのメリットは、設定不要でトラブルが少ないことです。地域や回線に合わせて動くため、普通に使う分には問題ありません。
一方で、DNSの応答速度やプライバシー方針、フィルタリング機能はプロバイダによって違います。
Cloudflare DNSに変えるメリットは、自分で問い合わせ先を選べることです。
速度を試したい、危険サイトブロックを入れたい、子ども用に成人向けブロックを入れたい。こうした目的があるならCloudflareは使いやすい選択肢になります。
ただし、プロバイダ独自のサービスや地域向け最適化がDNSに関係している場合、Cloudflareへ変えることで一部サービスが使いにくくなる可能性もあります。問題が出たら、元の自動取得に戻しましょう。
Cloudflare DNS設定後に確認すること

設定後はサイト表示と業務サービスを確認する
DNSを変更したら、設定して終わりではありません。必ず普段使うサイトやサービスが開けるか確認してください。
たとえば、ブラウザでニュースサイト、検索エンジン、メール、クラウドストレージ、動画サイトを開きます。仕事で使う端末なら、チャット、オンライン会議、勤怠、社内システム、広告管理画面なども確認します。
特にフィルタリング付きDNSを使う場合、必要なサイトがブロックされていないか見てください。
子ども用端末ならブロックは目的に合っていますが、仕事用端末で必要サイトが開けないのは困ります。
確認時のポイントは次の通りです。
・普段使うサイトが開けるか
・ログイン系サービスに問題がないか
・メールやチャットが使えるか
・社内VPNに影響がないか
・家族や業務端末で困るサイトがないか
設定変更後すぐに問題が出たら、DNSが原因の可能性があります。元の設定に戻すか、標準の1.1.1.1へ切り替えて様子を見ましょう。
つながらないときは元の自動取得に戻す
DNS設定後にネットがつながらなくなったら、まず焦らず元の設定に戻します。多くの場合、DNSを自動取得に戻せば復旧します。
つまずきやすいのは、入力ミスです。1.1.1.1の数字、ドット、IPv6のコロンなどを間違えると名前解決ができません。
また、ルーターに設定した場合は、端末側ではなくルーター側の設定を戻す必要があります。
復旧の基本は次の流れです。
・入力したDNSを見直す
・優先DNSと代替DNSを両方確認する
・DNSを自動取得に戻す
・Wi-Fiを切って再接続する
・端末やルーターを再起動する
設定前に元の値をメモしていれば、戻すのは簡単です。
DNS変更は便利ですが、トラブル時に戻せる状態で試すことが大切です。
Cloudflare DNSを使うべき人と使わなくてもよい人

使うべき人は速度や安全性を少しでも改善したい人
Cloudflare DNSは、設定だけで試せる手軽な改善策です。ネットの初動が遅い、プロバイダDNSが不安定に感じる、危険サイトブロックを入れたい、子ども用端末の入口対策をしたい人には向いています。
特に、1.1.1.1、1.1.1.2、1.1.1.3の3パターンが分かれているため、目的別に選びやすいのがメリットです。
難しい管理画面や有料契約なしで、DNSレベルの設定を変えられます。
おすすめの使い分けは次の通りです。
| 人・用途 | おすすめDNS |
|---|---|
| 普段使いのスマホ・PC | 1.1.1.1 / 1.0.0.1 |
| 仕事用で制限をかけたくない | 1.1.1.1 / 1.0.0.1 |
| 家族共用PC | 1.1.1.2 / 1.0.0.2 |
| 子ども用タブレット | 1.1.1.3 / 1.0.0.3 |
| 来客用Wi-Fi | 1.1.1.3 / 1.0.0.3 |
最初からルーター全体へ入れるのが不安なら、まず1台の端末で試してください。
問題なければ範囲を広げる。この順番が安全です。
使わなくてもよい人は今の環境で困っていない人
今のネット環境に不満がなく、家族向けフィルタリングも不要なら、Cloudflare DNSへ無理に変える必要はありません。DNS変更は簡単ですが、設定を変える以上、トラブルの可能性はゼロではないからです。
特に、会社支給の端末、学校管理の端末、社内VPNを使う端末では、勝手に変更しないほうが安全です。管理者が意図したDNSを使っている可能性があります。
また、動画が遅い、オンラインゲームが重い、Wi-Fiが途切れるといった問題では、DNS以外が原因かもしれません。
その場合は、DNS変更よりもルーター再起動、Wi-Fi位置の見直し、回線速度確認、端末更新を先に見たほうが効果的なこともあります。
Cloudflare DNSは便利ですが、万能薬ではありません。
目的がある人が、戻せる状態で試す。それくらいの使い方が一番失敗しにくいです。
まとめ

Cloudflare DNSを使うなら、通常利用は「1.1.1.1」と「1.0.0.1」、マルウェア対策は「1.1.1.2」と「1.0.0.2」、子ども用や家庭向けの成人向けコンテンツブロックには「1.1.1.3」と「1.0.0.3」を設定します。IPv6を使う環境では、対応するIPv6アドレスも設定すると安定しやすくなります。
Cloudflare DNSのメリットは、無料で使えて、標準DNS、危険サイト対策、家庭向けフィルタリングを用途別に選べることです。公式情報でも、1.1.1.1はフィルタリングなし、1.1.1.1 for Familiesはマルウェアや成人向けコンテンツのブロックに対応すると案内されています。
一方で、デメリットもあります。フィルタリング付きDNSでは必要なサイトが開けないことがあり、DNSを変えても完全な匿名化やVPN代わりにはなりません。会社の端末や社内ネットワークでは、業務システムに影響する可能性があるため、勝手に変更しないほうが安全です。
まずは1台の端末で試し、問題がなければルーターや家族用端末に広げるのがおすすめです。設定前には元のDNS設定をメモし、つながらない場合は自動取得に戻せるようにしておきましょう。















