セキュアDNSとは?メリット・デメリットからおすすめ設定・危険性・広告ブロック対応まで解説

セキュアDNSをオンにしようとしたとき、「これって安全になる設定なの?」「広告ブロックになるの?」「逆にネットがつながらなくなる危険はない?」と手が止まることがありますよね。ChromeやEdgeの設定画面に急に出てくるわりに、説明が短くて、何を選べばいいのか分かりにくい機能です。

セキュアDNSは、WebサイトにアクセスするときのDNS問い合わせを暗号化する仕組みです。DNSとは、たとえば「example.com」のようなドメイン名を、コンピューターが通信できるIPアドレスに変換する仕組みのこと。ここが丸見えだと、どのサイトを見ようとしているかを第三者に見られたり、悪意ある通信に差し替えられたりするリスクがあります。

ただし、セキュアDNSをオンにすれば何でも安全になるわけではありません。ウイルス対策ソフトの代わりにはなりませんし、広告ブロックもDNS事業者の種類によってできることが変わります。会社PCや学校PCでは管理者設定とぶつかって、サイトが開けなくなることもあります。

結論から言うと、個人利用ならChromeやEdgeのセキュアDNSをオンにし、Cloudflare、Google Public DNS、Quad9など信頼できるDNSを選ぶのが現実的です。広告ブロックやマルウェア対策まで求めるなら、AdGuard DNSやCloudflare for Familiesのようなフィルタリング対応DNSを選ぶと使いやすくなります。

目次

セキュアDNSとはDNS通信を暗号化してのぞき見や改ざんを防ぐ仕組み

セキュアDNSとはDNS通信を暗号化してのぞき見や改ざんを防ぐ仕組み

セキュアDNSとは、DNSの問い合わせを暗号化して送る仕組みです。ブラウザでは主にDNS over HTTPS、略してDoHという方式が使われます。DoHはDNSの通信をHTTPSの中に包んで送る方式で、通常のWeb通信と同じように暗号化されます。

普通にWebサイトを開くとき、ブラウザはまず「このドメインの住所はどこですか?」とDNSサーバーに問い合わせます。ここが暗号化されていないと、同じWi-Fiにいる第三者や通信経路上の事業者に、どのドメインへアクセスしようとしているかが見える可能性があります。

たとえばカフェの無料Wi-Fiで調べものをしているとき、ログイン情報そのものはHTTPSで守られていても、DNS問い合わせが暗号化されていなければ「どのサイトにアクセスしようとしたか」は見える余地があります。セキュアDNSは、この見えやすい部分を守るための設定です。

DNSはインターネット上の住所録のような役割を持つ

DNSは、インターネットの住所録のようなものです。人間は「google.com」や「roronto.jp」のような名前でサイトを覚えますが、コンピューターはIPアドレスという数字の住所で通信します。

この変換がうまくいかないと、ネット回線自体はつながっていてもWebサイトが開けません。「Wi-Fiにはつながっているのにページが表示されない」というとき、DNS設定が原因になっていることがあります。

操作でつまずくのは、DNSが普段見えないところで動いているからです。通信速度やWi-Fiの問題に見えて、実はDNSの応答が遅い、DNSサーバーが不安定、フィルタリングでブロックされている、というケースもあります。

セキュアDNSはVPNとは違う

セキュアDNSをオンにすると、VPNのようにすべての通信が完全に隠れると思われがちです。ここはかなり誤解されやすいところです。

VPNは通信全体を別の経路に通す仕組みですが、セキュアDNSは基本的にDNS問い合わせを暗号化する仕組みです。アクセス先のWeb通信そのものをすべて匿名化するものではありません。

つまり、セキュアDNSは「サイトの住所を調べる通信を守る設定」です。IPアドレスを完全に隠したい、地域制限を回避したい、通信全体をトンネル化したい、という目的ならVPNの領域になります。

セキュアDNSのメリットはプライバシー保護と危険サイト対策を強化できること

セキュアDNSのメリットはプライバシー保護と危険サイト対策を強化できること

セキュアDNSのメリットは、DNS問い合わせののぞき見や改ざんを防ぎやすくなることです。特に、公共Wi-Fiを使う人、スマホで外出先からよく調べものをする人、家族の端末を安全寄りにしたい人にはメリットがあります。

ChromeやEdgeでは、セキュアDNSをオンにして利用するDNS事業者を選べます。Microsoft Edgeでも、設定画面からセキュアDNSを有効にでき、DNS問い合わせを保護する機能として案内されています。

ただし、セキュアDNSは「設定すれば全部解決」という魔法ではありません。どのDNS事業者を選ぶかで、速度、プライバシー、ブロック性能、相性が変わります。

DNS問い合わせを暗号化して通信ののぞき見を防ぎやすくなる

セキュアDNSを使うと、DNS問い合わせが暗号化されます。Cloudflareの説明でも、DNS over HTTPSはDNS問い合わせを通常のHTTPSリクエストの中に包むことで、DNS通信の改ざんや偽装を防ぎやすくするとされています。

これが効いてくるのは、外出先のWi-Fiを使う場面です。ホテル、カフェ、駅、空港などのWi-Fiは便利ですが、自宅回線ほど信用できるとは限りません。

「無料Wi-Fiに接続したあと、なんとなく不安だけど急ぎでログインしてしまう」ことはありませんか。そういうとき、HTTPSサイトを使うのは当然として、DNSも暗号化しておくと防御層を一つ増やせます。

悪質サイトやフィッシングサイトをブロックできるDNSもある

セキュアDNSの中には、危険なドメインへのアクセスをブロックしてくれるものがあります。たとえばCloudflareの1.1.1.1 for Familiesでは、マルウェアやフィッシングに関連するドメインをブロックする設定が用意されています。

ここで大事なのは、「セキュアDNS」と「ブロック機能付きDNS」は別の話だということです。暗号化だけするDNSもあれば、危険サイトや成人向けコンテンツをブロックするDNSもあります。

子どものスマホや家族共用PCに設定するなら、ブロック機能付きDNSはかなり実用的です。ウイルス対策ソフトと併用することで、怪しいリンクを踏んだときの初動リスクを下げられます。

セキュアDNSのデメリットは一部サイトや社内ネットワークで不具合が出ること

セキュアDNSのデメリットは一部サイトや社内ネットワークで不具合が出ること

セキュアDNSにはメリットがありますが、オンにすれば必ず快適になるわけではありません。DNS事業者との相性、会社や学校のネットワーク設定、広告ブロック機能との衝突で、サイトが開けないことがあります。

特に会社PCで勝手にセキュアDNSを変更すると、社内システムやイントラネットにアクセスできなくなることがあります。社内専用のドメインは、会社のDNSを通さないと名前解決できない場合があるからです。

締切前に社内システムへログインしようとして、なぜかページが開かない。焦ってブラウザを再起動しても直らず、原因がセキュアDNSだったという流れは十分ありえます。仕事用端末では、個人判断で設定を変える前に社内ルールを確認してください。

会社や学校の管理端末では設定が固定されていることがある

ChromeやEdgeのセキュアDNS設定がグレーアウトして変更できない場合、管理者によって制御されている可能性があります。Microsoft Edgeでは、管理対象デバイス向けにDNS over HTTPSのポリシー設定が用意されています。

これは不具合ではなく、組織側がセキュリティや監査のためにDNS設定を統制している状態です。会社や学校では、通信ログ、アクセス制限、危険サイトブロックを社内DNSで管理していることがあります。

この場合、無理に解除しようとしない方が安全です。業務端末で勝手にDNS設定を変えると、社内規定に触れる可能性があります。

DNS広告ブロックを使うと必要なページまで壊れることがある

広告ブロック対応DNSを使うと、広告配信ドメインやトラッキングドメインへのアクセスをDNS段階で止めます。便利ですが、サイトによっては表示が崩れたり、ログインボタンが動かなかったり、決済ページに進めなくなったりします。

特にECサイト、予約サイト、広告経由のLP、アプリ内ブラウザでは注意が必要です。広告計測タグや外部スクリプトがブロックされると、ページの一部機能が動かない場合があります。

「広告が消えて快適になったけど、購入ボタンだけ押せない」という状況は、実務上かなり困ります。そういうときは一時的に広告ブロックDNSを外す、別ブラウザで開く、許可リストを使えるDNSサービスに変える、という対応が必要です。

セキュアDNSのおすすめ設定は目的別に選ぶのが正解

セキュアDNSのおすすめ設定は目的別に選ぶのが正解

セキュアDNSは、全員に同じおすすめがあるわけではありません。速度を重視する人、危険サイトブロックを重視する人、広告ブロックをしたい人、家族向けに制限したい人で選ぶDNSが変わります。

迷ったら、まずはブラウザ標準の候補にある有名DNSから選んでください。Cloudflare、Google Public DNS、Quad9あたりは利用者も多く、設定情報も見つけやすいです。

目的別に見ると、次のように選ぶと失敗しにくいです。

目的おすすめ候補向いている人
速度と安定性を重視Cloudflare 1.1.1.1普段使いで軽くしたい人
Google系サービスとの相性重視Google Public DNSChromeやGoogleサービスをよく使う人
マルウェア対策重視Quad9、Cloudflare for Families怪しいリンク対策を強めたい人
広告ブロック重視AdGuard DNS、NextDNS広告やトラッキングを減らしたい人
家族向け制限Cloudflare for Families、CleanBrowsing子ども用端末を守りたい人

この表は、最初の選択肢として使ってください。最終的には、自分の回線、地域、端末との相性で決めるのが現実的です。

個人利用ならCloudflareかGoogle Public DNSから始めると失敗しにくい

個人のPCやスマホで「まずセキュアDNSを試したい」という場合は、CloudflareかGoogle Public DNSから始めるのが無難です。Cloudflareは1.1.1.1、Google Public DNSは8.8.8.8で知られています。

Google Public DNSはDNS over HTTPSのドキュメントも公開しており、DoHの利用方法について公式情報が整っています。

とにかく難しい設定を避けたいなら、ChromeやEdgeの設定画面で用意されているプロバイダを選ぶだけで十分です。細かいURLを手入力するより、最初はプリセットから選んだ方がミスが減ります。

危険サイト対策ならマルウェアブロック対応DNSを選ぶ

怪しいサイト対策を強めたいなら、マルウェアブロック対応DNSを選びましょう。Cloudflare for Familiesでは、マルウェアブロック用に1.1.1.2と1.0.0.2が案内されています。

家族用や初心者用の端末なら、通常の1.1.1.1よりも、ブロック機能付きの方が安心しやすいです。フィッシングメールのリンクをうっかり押したとき、DNS側で止められる可能性があります。

ただし、完璧ではありません。新しい詐欺サイトはブロックリストに載るまで時間がかかることがあります。セキュアDNSは保険の一つであって、怪しいリンクを開かない判断は引き続き必要です。

ChromeでセキュアDNSを設定する方法

ChromeでセキュアDNSを設定する方法

ChromeでセキュアDNSを設定するとき、設定項目の場所が少し分かりにくくて迷うことがあります。セキュリティ設定の奥にあるため、検索しながら探す人も多いはずです。

ChromeのAndroid版では、設定から「プライバシーとセキュリティ」に進み、「セキュアDNSを使用する」をオンにして、現在のプロバイダまたは別のサービスプロバイダを選べると案内されています。

PC版でも基本的な考え方は同じです。Chromeの設定を開き、プライバシーとセキュリティ、セキュリティの順に進み、セキュアDNSを有効化します。

ChromeではカスタムDNSより候補から選ぶ方が簡単

初めて設定するなら、カスタムURLを入れるより、候補に表示されるDNSプロバイダを選ぶ方が安全です。入力ミスがあると、ページが開けなくなることがあります。

Chromeで設定する流れは、次のようになります。

  • Chrome右上のメニューを開く
  • 設定を開く
  • プライバシーとセキュリティを選ぶ
  • セキュリティを開く
  • セキュアDNSを使用するをオンにする
  • 利用するDNSプロバイダを選ぶ

ここで迷いやすいのは、「現在のサービスプロバイダを使用する」と「別のプロバイダを選ぶ」の違いです。現在のプロバイダを使う場合、契約回線側のDNSが対応していれば暗号化されます。別のプロバイダを選ぶ場合は、CloudflareやGoogleなどを明示的に使う形になります。

Chromeでサイトが開かないときは一度オフにして原因を切り分ける

セキュアDNSをオンにした直後にサイトが開かなくなった場合、まず設定をオフに戻して確認してください。これで開くなら、DNS設定との相性が原因の可能性が高いです。

次に、別のDNSプロバイダへ切り替えます。Cloudflareで不具合が出るならGoogle Public DNSへ、広告ブロックDNSで壊れるなら通常DNSへ戻す、といった切り分けをします。

焦ってWi-Fi設定やルーターを初期化する前に、ブラウザのセキュアDNSを確認してください。原因がここなら、数十秒で戻せます。

EdgeでセキュアDNSを設定する方法

EdgeでセキュアDNSを設定する方法

Microsoft EdgeでもセキュアDNSを設定できます。Edgeでは、設定内の「プライバシー、検索、サービス」からセキュリティ項目へ進み、セキュアDNSをオンにする流れです。Microsoft公式でも、EdgeでセキュアDNSを有効にする手順が案内されています。

Edgeは会社PCで使われることも多いため、個人PCと業務PCで扱いを分けた方が安全です。個人PCなら自由に試せますが、業務PCでは管理者ポリシーが優先される場合があります。

「設定が見つからない」「オンにできない」「選択肢が変えられない」という場合、ブラウザや会社側の管理設定が影響しているかもしれません。

Edgeではセキュリティ項目からDNSプロバイダを選ぶ

Edgeで設定する場合、まず右上のメニューから設定を開きます。その後、「プライバシー、検索、サービス」を選び、セキュリティの中にあるセキュアDNSの設定を確認します。

設定の流れは次の通りです。

  • Edge右上のメニューを開く
  • 設定を選ぶ
  • プライバシー、検索、サービスを開く
  • セキュリティまでスクロールする
  • セキュアDNSをオンにする
  • 現在のサービスまたは別のプロバイダを選ぶ

EdgeはWindowsとの連携が強いため、OS側のDNS設定とブラウザ側の設定が混ざって感じられることがあります。まずはブラウザ単体で変えるのか、Windows全体で変えるのかを分けて考えてください。

スマホでセキュアDNSを使う場合の設定ポイント

スマホでセキュアDNSを使う場合の設定ポイント

スマホでセキュアDNSを使う場合、ブラウザだけで設定する方法と、OS全体でDNSを変える方法があります。Chromeアプリだけ守りたいならブラウザ設定、アプリ全体に効かせたいならOS側のDNS設定を見ます。

Androidでは「プライベートDNS」という項目があり、DNS over TLSに対応したDNSホスト名を設定できます。iPhoneではWi-FiごとのDNS設定や、構成プロファイル、DNSアプリを使う方法があります。

スマホ設定でつまずくのは、モバイル通信とWi-Fiで効き方が違うことです。家では広告が消えるのに外では消えない、アプリでは効くのにブラウザでは違う、という状態になりやすいです。

AndroidはプライベートDNSを使うと端末全体に効かせやすい

Androidで端末全体にDNSを効かせたい場合は、設定からプライベートDNSを探します。機種によって表示名が少し違いますが、ネットワーク関連の設定内にあります。

プライベートDNSでは、IPアドレスではなくホスト名を入れることが多いです。たとえばDNS事業者が案内している「dns.google」や「family.cloudflare-dns.com」のような形式を使います。

ただし、入力ミスをするとネットが不安定になります。設定後に複数サイトを開き、普段使うアプリが問題なく動くか確認してください。

iPhoneはWi-Fiごとの設定かDNSアプリを使うのが現実的

iPhoneでは、Wi-FiごとにDNSサーバーを手動設定できます。ただし、モバイル通信まで含めて簡単に一括変更したい場合は、DNS事業者のアプリや構成プロファイルを使う方が現実的です。

注意点は、無料アプリをむやみに入れないことです。DNSはアクセス先の名前解決に関わる重要な設定なので、提供元が不明なアプリに任せるのはおすすめできません。

AdGuard、Cloudflare、NextDNSなど、公式情報が確認できるサービスを使ってください。設定後は、銀行アプリ、決済アプリ、仕事用アプリが正常に動くか確認しておくと安心です。

セキュアDNSで広告ブロックはできるが万能ではない

セキュアDNSで広告ブロックはできるが万能ではない

セキュアDNSで広告ブロックができるかという質問への答えは、「広告ブロック対応DNSを使えば一部できる」です。ただし、YouTube広告やSNSアプリ内広告のように、DNSだけでは消しにくい広告もあります。

DNS広告ブロックは、広告配信ドメインへの接続を止める仕組みです。ページの中身を細かく解析して消すブラウザ拡張機能とは違います。

そのため、Webサイト上のバナー広告には効きやすい一方、同じドメインから配信される広告には弱いです。広告だけを止めると本体コンテンツまで止まる場合があるからです。

DNS広告ブロックはアプリにも効きやすいのが強み

DNS広告ブロックの強みは、ブラウザ以外にも効かせやすいことです。端末全体にDNSを設定すれば、一部アプリ内の広告通信も止められる場合があります。

ブラウザ拡張機能はChromeやFirefoxの中では強いですが、スマホアプリには効きません。DNS広告ブロックは、通信の入口でブロックするため、アプリにも影響を与えられるのが特徴です。

ただし、アプリによっては広告ブロックを検知して動作が変わることがあります。動画視聴アプリや無料ゲームでは、広告が表示されないと報酬が受け取れない、機能が進まない、ということもあります。

広告ブロック目的ならAdGuard DNSやNextDNSが使いやすい

広告ブロック目的なら、AdGuard DNSやNextDNSのようなフィルタリング対応DNSが候補になります。通常のCloudflare 1.1.1.1やGoogle Public DNSは、基本的には広告ブロック目的のDNSではありません。

AdGuard DNSやNextDNSは、広告、トラッカー、危険サイトなどをブロックする目的で使いやすく設計されています。細かい許可リストやブロックリストを調整できるサービスもあります。

ただし、強くブロックするほど不具合も増えます。最初から最大設定にするより、標準設定で数日使い、問題が出たサイトだけ調整する方が失敗しにくいです。

セキュアDNSの危険性は信頼できないDNS事業者を選ぶことにある

セキュアDNSの危険性は信頼できないDNS事業者を選ぶことにある

セキュアDNS自体が危険というより、どのDNS事業者に通信の名前解決を任せるかが重要です。DNS事業者は、あなたがどのドメインにアクセスしようとしているかを扱う立場になります。

暗号化されているから安心と思って、聞いたことのない無料DNSに設定するのは危険です。通信が速くなると書かれていても、運営元、プライバシーポリシー、ログの扱いが不明なら避けた方が安全でしょう。

セキュリティ設定で一番怖いのは、「安全のために入れたものが新しいリスクになる」ことです。DNSは地味ですが、通信の入口に近い重要な部分なので、信頼できる事業者を選んでください。

無名DNSや怪しい広告ブロックDNSは避ける

広告ブロックDNSの中には、運営元がよく分からないものもあります。ネット上の投稿で「このDNSを入れると広告が消える」と紹介されていても、すぐに設定するのはやめた方がいいです。

DNS事業者を見るときは、最低限、運営会社、利用規約、プライバシーポリシー、障害情報、設定ドキュメントを確認してください。これらが見つからないサービスは、長期利用に向きません。

「無料で高機能」は魅力的ですが、DNSは広告ブロック拡張機能よりも影響範囲が広いです。ブラウザだけではなく、端末全体の通信に関わる可能性があるため、慎重に選びましょう。

セキュアDNSをオンにしても詐欺サイトを完全には防げない

セキュアDNSは危険サイト対策に役立ちますが、万能ではありません。新しく作られたフィッシングサイト、短期間だけ使われる詐欺ドメイン、正規サービスに似せたページは、ブロックをすり抜ける可能性があります。

たとえば、メールで届いた「請求書確認」リンクを急いで開き、見た目が本物っぽいログイン画面に情報を入れてしまう。こういう場面では、DNSだけに頼るのは危険です。

セキュアDNSは、ウイルス対策ソフト、ブラウザのセーフブラウジング、OSアップデート、二段階認証と組み合わせて使うものです。1つの設定だけで守り切ろうとしない方が現実的です。

セキュアDNSを設定した後に確認すべきチェック項目

セキュアDNSを設定した後に確認すべきチェック項目

セキュアDNSは、設定して終わりではありません。オンにしたあと、普段使うサイトやアプリが問題なく動くか確認する必要があります。

特に広告ブロックDNSやマルウェアブロックDNSを使う場合、必要な通信まで止めてしまうことがあります。仕事で使う管理画面、銀行、決済、予約サイト、メール配信ツールなどは、早めに確認しておくと安心です。

設定後に見るべきポイントは次の通りです。

確認項目見るべき内容
Web表示普段使うサイトが開けるか
ログイン銀行、EC、仕事用ツールに入れるか
決済購入画面や決済画面が止まらないか
アプリスマホアプリが通信できるか
社内サイト会社の管理画面やイントラネットに入れるか
広告ブロック必要なボタンやフォームまで消えていないか

この確認をしないまま放置すると、急ぎの場面で原因不明のトラブルに見えます。セキュアDNSを変えた日は、よく使うサイトを一通り開いておきましょう。

不具合が出たらDNSを戻してから原因を探す

セキュアDNS設定後に不具合が出た場合、まずDNSを元に戻してください。これで直るなら、原因はDNS設定にかなり近づきます。

次に、広告ブロックDNSから通常DNSへ変更します。それでも直らない場合は、ブラウザのキャッシュ、拡張機能、VPN、セキュリティソフトも確認します。

ポイントは、同時にいろいろ変えないことです。DNS、VPN、広告ブロック、ブラウザ拡張を一気に触ると、何が原因だったのか分からなくなります。

セキュアDNSをオフにした方がいいケース

セキュアDNSをオフにした方がいいケース

セキュアDNSは基本的に便利ですが、オフにした方がいい場面もあります。特に、会社や学校のネットワーク、ホテルWi-Fiの認証画面、社内システム、公共施設のログインページでは、一時的に邪魔になることがあります。

ホテルやカフェのWi-Fiでは、最初に認証ページを開かせる仕組みがあります。セキュアDNSや外部DNSを使っていると、その認証ページがうまく表示されない場合があります。

「Wi-Fiにはつながったのに、ログイン画面が出ない」というときは、セキュアDNSを一時的にオフにしてからブラウザを開き直してください。認証が終わった後に再度オンにする流れで対応できます。

社内システムが開けない場合は会社のDNSを優先する

会社の管理画面や社内サイトが開けない場合は、会社指定のDNSを優先してください。社内専用ドメインは、外部DNSでは名前解決できないことがあります。

この状態で外部DNSを使い続けると、社内システムだけ開けない、ファイルサーバーだけ見えない、勤怠システムだけログインできない、といった症状が出ます。

業務端末では、個人の快適さより会社のネットワーク設計を優先するべきです。自宅PCではセキュアDNSを使い、会社PCでは管理者設定に従う、という分け方が安全です。

セキュアDNSのおすすめ運用はブラウザ設定から小さく始めること

セキュアDNSのおすすめ運用はブラウザ設定から小さく始めること

セキュアDNSを初めて使うなら、いきなりルーター全体やスマホ全体に設定するより、ブラウザだけで試すのがおすすめです。影響範囲が小さいため、不具合が出ても戻しやすいからです。

最初はChromeやEdgeでCloudflareまたはGoogle Public DNSを選び、数日使ってみます。問題がなければ、スマホやルーターへの設定を検討する流れで十分です。

広告ブロックDNSを使いたい場合も同じです。まずは1台だけ設定し、普段使うサイトやアプリに問題がないか確認してください。家族全員の端末やルーターに一気に入れると、不具合が出たとき原因の切り分けが面倒になります。

初心者はこの順番で設定すると失敗しにくい

設定で迷ったら、次の順番で進めてください。

  • ChromeまたはEdgeだけでセキュアDNSをオンにする
  • CloudflareかGoogle Public DNSを選ぶ
  • 普段使うサイトを数日確認する
  • 問題なければスマホにも設定する
  • 広告ブロックが必要ならAdGuard DNSやNextDNSを別途試す
  • 家族全体で使う場合は最後にルーター設定を検討する

この順番なら、トラブルが起きても戻しやすいです。最初からルーター全体に入れると、家族のスマホ、テレビ、ゲーム機、仕事PCまで影響することがあります。

セキュリティ設定は、強くすればするほど管理も必要になります。まずは小さく試して、自分の使い方に合うか見てください。

セキュアDNSとは安全性と使いやすさのバランスを取るための設定

セキュアDNSとは安全性と使いやすさのバランスを取るための設定

セキュアDNSは、DNS問い合わせを暗号化し、通信ののぞき見や改ざんを防ぎやすくする設定です。ChromeやEdgeなどの主要ブラウザでは、設定画面から比較的簡単に有効化できます。

メリットは、プライバシー保護、公共Wi-Fi利用時の安全性向上、危険サイトブロック対応DNSによるリスク低減です。一方で、会社や学校のネットワーク、ホテルWi-Fi、広告ブロックDNSとの相性によっては、サイトが開けない、ログインできない、ページが崩れるといったデメリットもあります。

おすすめは、個人利用ならまずChromeやEdgeでCloudflareまたはGoogle Public DNSを選ぶことです。危険サイト対策を強めたいならCloudflare for FamiliesやQuad9、広告ブロックをしたいならAdGuard DNSやNextDNSを検討するとよいでしょう。

ただし、セキュアDNSはウイルス対策ソフトやVPNの代わりではありません。怪しいリンクを開かない、OSやブラウザを更新する、二段階認証を使う、といった基本対策とセットで使うことが大切です。

設定に迷ったら、いきなり全端末に入れず、まずブラウザ1つで試してください。ネットが少し安全になる設定は、生活に溶け込んでこそ意味があります。難しく考えすぎず、戻し方まで覚えたうえで使うのが一番現実的ですよ。

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